みなさまはinfoQが実施している「アンケートで自主調査」をご存じでしょうか。
今回はinfoQの運用スタッフとアンケートモニターのみなさまで一緒に作り上げる形式の自主調査「アンケートで自主調査」の紹介となります。
また、自主調査の紹介に合わせて、後半では2020年に最も人気のあった調査結果の発表や、ネットの調査結果に騙されないためのポイントについても調べてみました。
「アンケートで自主調査」とは
infoQが実施する「アンケートで自主調査」とは、会員のみなさまにアンケートを通して声を聞くことで世間の様々な疑問を調査していく企画です。
まず「自主調査」とは自分自身でテーマや目的を決め、調査の方法や手順を自分で立て、データを収集・分析することを指します。
調査会社は、通常企業や団体からの発注で調査おこないますが、自主的に行う調査も「自主調査」と呼ばれています。
自主調査は外部の影響を受けずに公平な調査結果を追求することができますが、調査の正確性や信頼性を担保するためには、適切なサンプル数や調査方法の選択、分析手法の適用などが必要となります。
アンケートに回答していると、たまに「自分のアンケート回答がどういう風に反映されているのだろうか?」と気になることはありませんか?
または「みんなはこの設問にどう回答をしているだろうか」なんて考えたりもしますよね。
通常、企業から依頼されたアンケートには守秘義務があり、会員様へ回答の集計結果をお見せすることはできません。
しかし、自主調査であればみなさまの「気になる」にお応えできると考え、この自主調査がスタートしました。
「アンケートで自主調査」の調査結果は定期的にサイト内に公開されています。
今までの調査結果はこちら→アンケートで自主調査一覧
調査方法
自主調査の調査方法は、infoQ内に配信するアンケートがメインです。
アンケートの配信対象者は調査内容ごとに異なりますが、 調査結果はすべてinfoQの会員様に回答いただいた内容で構成されます。
また、自主調査のアンケートは他のアンケート同様に回答ポイントを謝礼として会員様に還元しています。
それでは私たちが実際どんな調査をおこなっているのか、2020年の人気記事に沿ってご紹介します。
人気の自主調査TOP3
実施した自主調査の中から、閲覧数の多いもの3つを紹介します。
第3位! マイナポイント事業開始!一番人気のキャッシュレス決済サービスとは?
2020年に開始となった「マイナポイント」についての調査です。
キャッシュレス決済サービスの利用率はもちろんのこと、マイナンバーカードの普及率についても大変興味深い調査結果でした!
マイナポイント事業開始!一番人気のキャッシュレス決済サービスとは?
第2位! 2020年GW中のコロナウイルスとの付き合い方
緊急事態宣言が発令された2020年5月に公開された調査です。
「STAY HOME」中のGWをどう過ごしたのか、また急速に広がり始めたリモートワークについてなどを中心に徹底調査しました。
2020年GW中のコロナウイルスとの付き合い方
第1位 レジ袋有料化についての賛否の意見と今後の利用頻度調査結果
栄えある1位は2020年6月より開始された、レジ袋の有料化についての調査でした!
当時レジ袋有料化に反対している人が38.9%と少数派だったのは、調べていてとても驚きました。
今後のレジ袋の利用頻度について、衣料品や百貨店では有料でもレジ袋を利用すると回答した人が、6割を超える点も注目すべき調査結果となりました。
レジ袋有料化についての賛否の意見と今後の利用頻度調査結果
2020年の人気調査TOP3でした!
まだ見ていないという方は、ぜひこの機会にご覧ください!
調査結果の「歪み」を見抜くポイント
さて、ここまでinfoQの自主調査について詳しくご案内してみましたが、次は調査結果の読み方についてお話をしていこうと思います。
皆様はネットのニュースや商品紹介などの記事で「ネットリサーチ」の調査結果を見たことがありますか?
ネットリサーチとは、ネット上で回答するアンケートのことで、Webアンケートとも呼ばれています。
infoQに配信されているアンケートも基本的にネットリサーチに含まれます。
ネットの記事にさりげなく添えられているグラフや、文章中に紹介される客観的な数字は、記事の信憑性を上げるために必要不可欠ですが、残念ながら情報発信者の都合がいいように調査結果が歪められている可能性もあります。
どういった点に注意すると、正確な情報を読み取ることができるのでしょうか。
当社データサイエンス課勤務のデータアナリストにポイントを聞いてみました!
調査の対象人数が少なすぎないか
まず人数について、極端な話ですが調査の対象が3人しかいなかった場合、2人がA、Bの選択肢の内Aを選んだだけで、「66.6%の人がAを選んだ」データが出来上がってしまいます。
こういった一人の回答に集計結果のパーセンテージが多く左右されることを防ぐためには、より多くの回答数が必要になります。
また、アンケート調査の多くが、調査対象者の中から統計が取れる人数を抽出して、ランダムにアンケートに回答してもらうサンプル調査という方法を取っています。
当然対象者全員にアンケートを取った場合と、サンプル調査では誤差が出てきますが、回答者数が多ければ多い程サンプル調査の誤差は小さくなってきます。
そのため回答人数が多い程信憑性が高いといえるでしょう。
調査の対象者は適切か
アンケートに回答した人の属性が、調査したい内容から見て偏っていないか注目してみましょう。
そもそも記事として掲載されているアンケート結果に調査対象が記載されていない場合は、特に注意が必要です。
例えば「電車通勤をしている人の割合」というテーマで、10万人にアンケートを取ったとします。
このアンケートがすべて東京で行われた場合、結果は全国の「電車通勤をしている人の割合」と一致するでしょうか。
このように偏りのある対象者から得られた調査結果は、正確とは言えません。
先ほどお話しした対象人数から見ると十分な回答者数に見えますが、対象者がランダムに選ばれておらず、回答者の地域や年齢などの属性に偏りがあった場合、回答も偏ったものとなってしまいます。
調査時期は適切か
最後に調査が実施された時期についてです。
こちらも基本的には調査概要に記載されているのですが、記載されていない場合は意図的に伏せている可能性もあるので注意してください。
ポイントは「古すぎないか」と「調査期間の前後で起きた出来事」です。
特に認知度や好感度などの意識調査においては、アンケートのタイミングによって結果が大きく変わってきます。
例えばクリスマスの前やバレンタインデーの前、ケーキやチョコの話題にいつもよりポジティブな回答が増えやすいです。
読んだ記事が「今の○○について」というような話題だった場合、調査を実施した時期が離れすぎていないか、 調査が情報発信者の都合のいい時期に実施されていないかに注目すると、違った見え方ができるかもしれません。
ネットリサーチの結果を正しく読む秘訣は調査概要
以上ネットリサーチの調査結果を正しく読む3つのポイントを紹介させていただきました!
ネットで調査結果を基にした記事については、まずグラフ横や記事の最後に調査概要として調査方法、調査期間、調査対象がきちんと掲載されているか確認することをお勧めします。
また、見ている記事の目的について考えてみるのも、歪みを見抜くのに有効です。
誰が何のために発信しているのか明確であればあるほど、情報の信用は高くなります。
ぜひ必要な情報を集める際の参考にしてみてください。