みんなが使っているSNSはどれ?利用実態を男女3,000名に調査【年代別・SNS別】
スマートフォンの普及により、SNSの利用者は増加し続けています。昨今では若い世代に限らず幅広い世代の人々がSNSを利用しています。
本調査では、2022年の自主調査の結果と比較しながらSNSの利用実態に関する調査を行い、それをもとに利用傾向や各SNSについて分析しました。新たにSNSを始めるならどのSNSが自分に合っているのか、ぜひ本記事を参考にしてみてください。
SNS利用者数の推移
まず、男女3,000名に、SNSを利用しているか聞いてみました。その結果、回答者の74.6%がSNSを利用していることがわかりました。つまり、4人に3人の割合でSNSの利用者がいるようです。
さらに、この回答結果を性別・年代別に分析したところ、若い世代ほどSNSの利用率が高くなり、最も利用率が低い年代であっても、約60%の方がSNSを使用していることがわかりました。このことから、年代を越えて、SNSは私達の日常生活に広く浸透していると考えられます。
どのSNSを利用しているか
【2023年調査】
【2022年調査】
では、様々あるSNSの中でもどのようなものが広く活用されているのでしょうか?
昨年の調査に引き続き、今年も、最も利用しているSNSについて複数回答で聞いてみました。回答が多かった順に、「LINE」(89.3%)、「YouTube」(83.4%)、「X(旧Twitter)」(75.4%)、「Instagram」(61.0%)、「Facebook」(21.9%)となりました。この順番は昨年と同じ結果となっており、この1年間で大きくSNSの利用状況が変化した人は少ないことが伺えます。
さらにこの回答結果を分析したところ、特徴的な結果が見られたものをご紹介します。
利用率が最も多い「LINE」の利用経験について性年代別の回答結果を見たところ、20代以下の女性の利用率は97.5%、最も低い利用率が低い30代男性の結果でも89.4%であり、すべての世代・年代で非常に高い利用率であることがわかりました。LINEは連絡用ツールとして日頃から活用されていることが伺えます。
また、4番目に利用率の高い「Instagram」では、1〜5位までの他のSNSと違い、女性の利用率が男性の利用率を大きく上回っていることがわかりました。Instagramは写真や動画など視覚的なコンテンツが中心であり、ファッション、美容、インテリアなどの女性に人気のあるトピックの情報発信や収集に向いています。その結果、女性の利用率が高くなっていると考えられます。
1番利用しているSNSはどれか
【2023年調査】
【2022年調査】
SNSを利用している人を対象に、1番利用しているSNSを2022年と2023年で比較してみました。
最も利用しているSNSについて聞いたところ、2022年の調査では「LINE」が32.3%と最も利用されていましたが、今回は「X」が30.6%と一番多く、次いで「LINE(25.6%)」、「YouTube(25.2%)」という結果になりました。
※2022年に調査した結果からSNSを利用していない人を除外し再計算したデータを使用しています。
【SNS別】利用傾向を探る
次に、これまでの質問で回答者が多かった、代表的なSNSについてそれぞれ利用状況を調査しました。
LINE
LINEを利用する目的LINEについて、利用する目的を聞いたところ、「友人・家族とのコミュニケーション」と答えた方が最も多く、91.8%でした。利用者の多くは、不特定多数に対する情報発信や、インフルエンサーからの情報収集をするためのツールとしてではなく、家族や友人など親しい人とのコミュニケーションのためのツールとしてLINEを使用していることが伺えます。
次に、1日のうちどのくらいLINEを使っているか聞いてみました。「30分未満」と答えた回答者が最も多く、76.8%でした。利用者は、決まった時間ずっとLINEを使用し続けるのではなく、相手から来たメッセージの確認や、連絡をする相手へのメッセージを作成する時などを中心に、必要に応じて数分間程度LINEを使用することを、1日の間で数回行い、その合計が30分未満となるのだと考えられます。
さらに、LINEで誰と主にやり取りを行うのかについて聞いてみました。その結果、「家族」と答えた方が最も多く52.2%、次いで「現実で知り合った友人」と答えた方が多く27.8%であり、約8割の方が現実で交友関係のある人とやり取りを行っているようです。
また、LINEで気に入っている機能について聞いたところ、「無料通話」「スタンプ」という回答が複数ありました。
無料で家族や友人と気軽に通話ができる点や、スタンプを交えて楽しくメッセージのやり取りができる点が、LINEの広い普及に繋がっていると考えられます。
X(旧Twitter)
X(旧Twitter)を利用する目的Xの利用目的について聞いたところ、最も多い利用目的は「情報収集(58.2%)」であり、Xでは様々なトピックに関する多種多様な最新の投稿をリアルタイムで確認することができるため、情報収集ツールとして活用されていることが伺えます。一方、「友人・家族とのコミュニケーション」という回答も24.2%と少なくなく、日常の様子を共有するためのツールとしてマルチに利用している人もいることがわかりました。
1日にXを利用する時間について聞いたところ、最も多かった回答は「30分未満」で58.7%でした。また、2番目に多かった回答は「30分〜1時間未満」であり、23.7%でした。LINEに比べるとやや長時間利用者が多く、これは利用目的が情報収集や娯楽であることが関係しており、隙間時間に積極的にXを確認している利用者が多いためだと考えられます。
Xで主に誰とやり取りを行うのか聞いた結果が上のグラフです。最も多かった回答は「交流しない」で56.9%であり、Xは情報収集のために利用し、コミュニケーションツールとしては使用しない人が多いことが伺えます。
また、2番目に多かった回答は「ネット上で知り合った友人」で18.8%でした。Xは、匿名で個人情報を明かさずに投稿することができるため、ネットでの交流の場にもなっているようです。
次に、利用目的ごとの差について注目してみましょう。
利用目的:有名人やブランドの活動や最新情報を追う
利用目的:同じ趣味趣向を持つ人との交流
また、「有名人やブランドの活動や最新情報を追う」「同じ趣味趣向を持つ人との交流」の回答には男女で差が見られました。
「有名人やブランドの活動や最新情報を追う」と答えた人は、すべての世代で女性の方が多く、特に20代以下と50代で差が大きく出ました。「同じ趣味趣向を持つ人との交流」と答えた人の割合も、20代以下を中心に、多くの世代で女性の方が多く出ました。
女性の方が、Xを通して趣味に関する情報収集を行う人や、共通の趣味を持つ人とのコミュニケーションを楽しむ人が多いと考えられます。
Instagramの利用目的について聞いてみました。
調査対象者のうち過半数以上が共通して答えた回答はなく、最も多い回答でも「情報収集(45.7%)」でした。利用目的は分散しており、人によって様々であることがわかりました。
Instagramを利用する時間について聞いた結果は以下のようになりました。
Instagramの1日の利用時間について聞いたところ、Instagramでも、他のSNSと同様に「30分未満」の回答が最も多いものの、「30分未満」と回答した人数については、他のSNSよりも比較的少ないという特徴が見られました。ちょっと眺めていたつもりだったのに…という経験は多くの人が経験したことがあるのではないでしょうか。
Instagramでやり取りを行う主な相手について聞いてみたところ、多かった回答は「交流はしない(48.7%)」、「現実で知り合った友人(25.8%)」でした。「現実で知り合った友人」の回答が多い一方、「家族」と解答した人は4.8%と少ないのが特徴的です。LINEは、家族も含めて実際に顔を合わせた交友関係のある人とのやり取りに用いられることが多いですが、Instagramは、実際に会うことがある友人や知人とのやり取りに使用され、家族とのコミュニケーションに使用されることは少ないようです。
Facebookを利用する人の利用目的として最も多く挙げられた回答は、「友人・家族とのコミュニケーション(45.5%)」でした。また、次に多い回答が「情報収集(24.6%)」、3番目に多い回答が「情報共有や発信(18.6%)」でした。フォロー関係にある友人や家族の近況を把握し、交流を行うために利用されることが多いと考えられます。
また、Facebookの利用時間に関する回答では、90.1%の人が「30分未満」と回答していました。身内とのコミュニケーションをメインとする性質上、フォローしている人数が少なく、フォローしているアカウントも個人で運用しているアカウントのため、Facebookの更新頻度がそこまで高くないのかもしれません。
Facebookでやり取りを行う主な相手について聞いたところ、回答が多かった順「交流はしない(38.1%)」、「現実で知り合った友人(32.9%)」、「知人(12.5%)」、「家族(6.5%)」、「ネット上で知り合った友人(6.0%)」、「知らない人(3.2%)」という結果になりました。
Facebookは、本名でアカウント登録を行うことが多いため、実際の交友関係がある人とのオンライン上でのコミュニケーションプラットフォームの1つとして使用されているのではないでしょうか。
さらに、Facebookを「友人・家族とのコミュニケーション」のために利用している人の割合には、年代ごとに差が見られました。Instagramの同じ回答については、若い世代ほど回答者が多い傾向が見られましたが、Facebookでは、30代が多く、より若い世代では回答者が少ないという結果になりました。
SNSに疲れを感じたことはある?
次に、SNSによるストレスについて調査した結果、39.5%の人がSNSに疲れを感じたことがあることがわかりました。
さらに結果を分析すると、男女で回答結果に差が見られました。
SNS疲れをしたことがあると答えた人の割合を世代・年代別に比較したところ、すべての年代で女性の回答者数が男性の回答者数を上回ることがわかりました。
また、女性の回答に注目すると、10代から30代までの調査対象者のうち約半数が「ある」と回答していました。一方、男性は、すべての世代で「ある」と回答した人の割合は40%未満でした。男性はストレスを感じたことがない人が多い一方で、女性は若い世代を中心に、SNSに対して疲れている人が約半数いるようです。
疲れを感じるのはどのような時か
では、どのような時にSNSに疲れを感じる人が多いのでしょうか?
回答結果は、多い順に「情報過多だと感じる(66.4%)」、「ネガティブなコンテンツを見た(42.0%)」、「時間を浪費しているように感じる(31.4%)」、「劣等感や疎外感を感じる(25.1%)」となりました。
さらに、具体的に疲れを感じたエピソードについて聞いたところ、「気づいたら十時間くらい見てしまっててそのあと脳が疲れたのか眠れなかったこと」、「自分が疲れているときに、友達がいろんなところに出掛けているのを見て羨ましくなる」、「ネガティブな意見ばかりを見ていると気持ちが落ち込んでくる」という回答がありました。
SNSを利用することで、手軽に最新の情報を大量に集めることができる反面、得る情報の内容や量を制御しづらく、無意識のうちに本来は必要ないはずである情報も受け止めてしまい、ストレスを感じやすくなってしまう恐れがあります。
また、「他人と比較してしまう」という回答については、男女差だけではなく年齢差でも結果に差が見られました。
特に女性の若年性が「比較してしまうこと」へのストレスを感じていることが分かりました。
フォローしている友人の楽しそうな投稿を見かけたときに、女性の方が、自分と比較してしまいやすいと考えられます。実際に、具体的に疲れを感じたエピソードについて聞いた結果でも「他人と比較して劣等感が湧く」という回答が複数見られました。
どのSNSを利用している時に疲れを感じるか聞いた結果、XやInstagramなど、情報収集ツールとして1人で使用することが多く、おすすめ欄等を通して、フォロー関係にない人の投稿も目に入りやすいSNSが多く回答として挙げられました。
YouTubeを利用していてSNS疲れを感じたことがある
Instagramを利用していてSNS疲れを感じたことがある
回答結果をさらに分析すると、SNS疲れを感じるツールについて、男女に差が見られました。「YouTube」と回答した人は、すべての世代で男性の方が多く、「Instagram」と回答した人は、すべての世代で女性の方が多いという結果になりました。
男性は、フォローしている動画配信者の配信や投稿を視聴し続けたり、コメントを送ったりして配信活動を応援し続けることに疲れを感じやすいのかもしれません。また、女性は、Instagramで目に入る様々な投稿の投稿者と自分自身とを比べてしまいやすいのではないでしょうか。
SNSに疲れた時の対処法はなにか
では、SNSに疲れを感じてしまったときはどのようにすれば良いのでしょうか?
調査対象者に、SNS疲れへの対処法について聞いた結果、利用時間を制限したり通知を切ることでSNSに触れる時間を減らす人や、不要なフォローを整理することで必要ない情報を目にしないように予防する人が多いことがわかりました。一方、対処しない人も一定数いるようでした。
具体的な対策方法についての回答結果では、「利用時間を制限する」「通知を切る」「不要なフォローの整理」などの回答が上がりました。他に集中できることを作ることでSNSについて考える時間を減らすことや、ストレスを感じやすい情報が目に入らないように予防することが良い対策だと考えられます。
X(旧Twitter)の利用について
X(旧Twitter)では、ポスト数やDM数の制限、有料化など、相次ぐ仕様変更がありました。
頻繁な仕様変更に対して、戸惑う利用者も少なくなく、別のサービスへの乗り換えを検討している人もいるのではないでしょうか。
そこで、先程の質問で、「X(旧Twitter)を利用したことがある」と回答した人を対象に、Xから別のサービスへ乗り換えへの検討について調査を実施しました。
乗り換えを検討したことがあるか
まずXを利用している人に、Xから別のサービスへの乗り換えを検討したことがあるかどうかを聞いたところ、22.1%の人が「はい」と回答しました。
- 機能の変更に戸惑った
- 今後無料で使えなくなるかもしれないと思ったから
- より良いSNSを探すため
実際に乗り換えた人は乗り換えを検討した人の4割
実際にXから別のサービスに乗り換えた人はどのくらいいるのでしょうか?
調査した結果、「今まで登録していなかったSNSに新しく登録して乗り換えた」と回答した方が22.2%、「既にアカウントを持っていた別のSNSに乗り換えた」と回答した方が23.0%でした。約45%の方は別のサービスに乗り換えたことがわかりました。
一方、「検討したが実際に乗り換えてはいない」と回答した方は54.8%であり、半数以上の利用者はXの利用に疑問を感じつつも現状利用を続けているようです。
実際に別のサービスに乗り換えた方に対して、Xの代わりに利用するようになったSNSについて聞いたところ、最も多かった回答は「Instagram」(37.8%)でした。Instagramは現在利用者が多く投稿が活発なSNSであることが、乗り換え先として検討されやすい要因であると考えられます。
注目の高まるSNSとは?SNSに対して求めること別におすすめSNSも紹介
最近注目しているSNS
最後に、調査対象者に最近注目しているSNSについて聞いてみました。
グラフは上位5つの抜粋となります。その結果、概ね現在利用しているSNSに関する回答結果と似ていたものの、「Threads」に対して注目している利用者がいることがわかりました。
「Threads」は、FacebookやInstagramを運営するMetaが2023年にリリースしたSNSです。Instagramとの連携が可能であり、ThreadsとInstragramで同じアカウント名やフォロワーを引き継ぐことができます。1つの投稿に対して、500文字以内のテキストと10枚以内の画像をつけることができます。
また、Xと同様に、いいねやリポスト(再投稿)機能もあり、他の利用者とのコミュニケーションが取りやすいという特徴があります。さらに、Xは基本利用無料であるのに対して、Threadsは、完全無料で利用することができます。現在は、スマートフォンやタブレットのアプリからでのみ利用可能であり、今後のPCブラウザ版の登場が期待されています。
Threadsを含め、今や多くのSNSがあり、各SNSで投稿されるコンテンツの内容や利用者たちの利用目的や活用方法が異なるため、どのSNSが自分に合っているかわからないという人もいるかと思われます。
そこで、調査結果に基づき、SNSに対して求めること別におすすめのSNSを紹介します。
身近な人との交流を楽しみたい方
SNSを利用して、友人や家族といった自分にとって身近な人との交流を楽しみたい方にはInstagramがおすすめです。
スマートフォンで撮った画像や動画を投稿してお互いの近況を知ることができます。
また、ストーリーズ機能では、24時間の時間制限付きで通常の投稿よりもさらに手軽に画像や動画を共有することもできます。
- いいね
- ストーリーズ
- リール
- 保存機能
身元が分かる人と安心してつながりたい方
実名でアカウントを登録するFacebookがおすすめです。多くのSNSは匿名でアカウントを登録したり、公開する情報に制限をつけることができるため、公開されているユーザープロフィールだけでは誰であるかわからない場合が多いです。
しかし、Facebookは実名でアカウントを登録するため、身元がわかる人と安心してつながることができます。
- 実名登録
- ショートストーリー
- 友達の近況がわかる
- 友人検索
SNSをコミュニケーションツールとして利用したい方
SNSをコミュニケーションツールとして利用したい方には、LINEがおすすめです。
LINEは、個人間ではもちろん、グループLINEを作成して複数人でメッセージやスタンプのやり取りを楽しむこともできます。
- 無料通話
- 既読機能
- スタンプ・絵文字
- グループLINE
- アルバム作成
最新情報をいち早く知りたい方
スピード重視の方にはXをお勧めします。SNSを最新情報を追うために利用しているという方もいらっしゃると思われます。Xは利用者が多く、最新の投稿をリアルタイムで確認することができるため、情報収集のためのツールとしておすすめです。
- リポスト機能
- トレンド
- 匿名性
- リアルタイム性
まとめ
今回のSNSの利用実態に関する調査では、以下のようなことがわかりました。
現在利用者が多いSNSは、X(旧Twitter)、LINE、Instagram、Facebookです。中でも、XやInstagramは最新の情報を入手するための手段としても活用されているという特徴があり、LINEやFacebookは、身近な人とのコミュニケーションに用いられやすいという特徴があります。さらにXについては、相次ぐ仕様変更に戸惑い、他のSNSへの乗り換えを検討する人や、実際に乗り換えたという人も明らかになりました。
また、SNSの楽しさや便利さを魅力に感じる一方、情報量が多く、意識して制御しないと不必要な情報を目にしたり、時間を浪費することでSNSに対して疲れを感じやすくなってしまうという懸念もわかりました。
SNSを利用する際は、自分の目的や利用方法に合うサービスを選んだり、ストレスをためないために注意しながら活用することが重要です。みなさんも、新たにSNSを始める際の参考にしてみてください。
調査概要
- 調査方法:
- infoQでwebアンケート実施
- 調査期間:
- 2023年10月30日(月)~2023年10月31日(火)
- 有効回答:
- 3,000サンプル
- 調査対象:
- 全国15〜59歳男女