最近では地方移住する方が増えてきています。便利な都心での暮らしもよいですが、自然豊かな地方でのんびり暮らすのも憧れますよね。
しかし、今までと環境が異なる地方で生活するにあたって、やはり心配なのは「仕事が見つかるか」という点です。
都心に比べ選択肢は減りますが、地方でもできる仕事はたくさんあります。
今回は地方移住を考えている方のために、地方で働ける仕事の種類や探し方などをご紹介します。
地方で仕事をする魅力
地方ならではのメリットがあります。
地方で仕事をすることに不安を感じる方も多いかもしれませんが、地方だからこそのメリットがあります。
地方での仕事や生活のメリットを、4つご紹介します。
生活コストを抑えられる
大きなメリットは、やはり生活コストを抑えられることです。
地方暮らしをすることで最もコストを抑えられるのは家賃です。地方では、都心と同じ家賃ではるかに部屋数が多く広い家に住めます。都心では1Kほどに住める家賃であっても、地方であれば庭付きの一戸建てに住むことも可能です。
参考に、家賃相場の平均値を東京・青森・鹿児島で見てみましょう。
1R~1DK | 2LDK~3DK | |
---|---|---|
東京都 | 7.8万円 | 12.4万円 |
青森県 | 4.9万円 | 6.6万円 |
鹿児島県 | 4.2万円 | 6.0万円 |
参考:相場から賃貸を探す|ダイワハウスの賃貸【賃貸住宅 D-room】
このように、地方だと都心の半分に近い額の家賃であることも珍しくはないです。
また駐車場代も、都心の交通の便や立地がよい場所だと月数万円かかりますが、地方だと数千円で済みます。
物価が安いことも魅力です。地元で採れた新鮮な野菜や果物などが格安で手に入ったり、近所の方から食材のおすそ分けをもらったりするのは地方ならではです。
このように生活コストがあまりかからないので、仕事の給料や売り上げが都心ほど高くなくても十分に生活できます。
通勤ラッシュを避けられる
地方で暮らすと、通勤ラッシュはほぼありません。
電車の本数はどうしても少なくなりますが、毎日必ず座れたり、立つとしても車内にゆとりがあったりと、都心と比べるとはるかに楽に乗車できます。
通勤は毎日のことなので、満員電車のストレスから解放されるだけでも心身ともに楽になるでしょう。
また、地方はマイカーの所持率が高く、マイカー通勤を許可している職場も多いです。通勤ラッシュを絶対に避けたいのであれば、自分のペースでゆったり通えるマイカー通勤もおすすめです。
子育てがしやすい
子育てを理由に地方移住する方も増えてきています。
都心では子供の数に対して保育園が不足しているケースもあるため、子どもを預けて仕事をすることが難しい場合もあるでしょう。
一方で、地方はそもそもの人口が少ないので、都心よりは保育園を見つけやすいケースが多いです。
もちろん過疎化が進んでいたり保育士不足だったりする地方もありますが、待機児童の数は全体的に地方のほうが少ない傾向にあります。
厚生労働省が発表した資料によると、令和3年4月時点で、東京都の待機児童数は969人、兵庫県は769人です。一方富山県や長崎県、大分県などはゼロでした。
参考:令和3年4月の待機児童数調査のポイント/厚生労働省
さらに自然豊かで広々とした環境は、子どもたちが思いっきり遊び回れるという利点もあります。
また地方はご近所付き合いも濃く、周囲の方たちと顔見知りになりやすいです。そのため、親だけではなく地域で子育てをする意識を持つ方も多いです。
人とのつながりを作りやすい
人の多い都心では、どうしても人間関係が希薄になってしまいがちです。
しかし、地方は周囲に住んでいる人の数が少ないため、すぐに顔見知りになります。誰か1人と知り合うと、その人の紹介で次々に人脈が広がることも多いです。
人の数が少ないことで人脈が広がりお互いを知る機会が多いのは、仕事をするうえで大きな利点になります。
特に地方で開業したりフリーランスになったりする方は、人脈と地元の情報が命です。交流のある方がお店を訪れたり、親しい人物から仕事を紹介してもらったりすることもあるでしょう。
人脈など自分の仕事へ生かすためには「今度こんなお店を出します!」「このような仕事が得意です!」といった発信を自分から続けることが重要です。
地方で仕事をする際の注意点
一方、地方で仕事をする際はデメリットもあります。
実際に地方移住する前に確認しておきたい注意点を4つ解説します。選べる仕事の数や情報が少ない
都心に比べると、地方は選べる仕事の数や情報量が少ないです。
地方は人口が少なく社を構える企業の数も限られるため、仕事の選択肢が限られます。企業に就職したい場合は、入りたい会社が移住先にあるのかよく検討しましょう。
仕事探しに必要な情報を獲得する手段にも限界があります。オンラインの就職説明会やセミナーなどもありますが、やはり現地開催やオフラインイベントが多いのは圧倒的に都心です。
さまざまな人たちに直接会える機会も都心のほうが多いため、どうしても地方は得られる情報量が限られます。
収入は都心より低くなりやすい
収入も、都心と比較すると地方のほうが低くなります。
例えば、厚生労働省が発表した「令和4年度 地域別最低賃金」のデータによると、全国最低賃金のトップ3は、
1位 東京都 1,072円
2位 神奈川県 1,071円
3位 大阪府 1,023円
でした。
一方で最低賃金の金額がもっとも安い853円だったのは、秋田県や高知県、佐賀県、鹿児島県、沖縄県などでした。
参考:令和4年度 地域別最低賃金 答申状況/厚生労働省
平均年収でみても、東京都が438万円でトップでしたが、高知県は354万円、新潟県は359万円と、地方は低い傾向にあります(2021年のデータによる)。
参考:【47都道府県・地方別】平均年収ランキング 最新版 |転職ならdoda(デューダ)
地方特有の人間関係や文化と相性が合うか
地方の特性にもよりますが、都心にはない地方特有の文化や人間関係があります。
例えば都心だと近所付き合いが少ない場合が多いですが、地方は住んでいる人数が少ないためご近所の方々とすぐ顔見知りになりやすいです。
また地方特有の地域行事や町内会の活動がさかんなケースもあります。
最初は戸惑うかもしれませんが、この人間関係の濃さやユニークな文化こそが地方で生活する醍醐味ともいえるでしょう。
生活様式が合うか
地方特有の生活スタイルもあります。
例えば交通の利便性については、やはり都心のほうが圧倒的に便利です。
地方だと「電車やバスの本数が少ない」「終電が早い」というケースが一般的です。そのため移動に時間や手間がかかり、都心の交通の便利さを知っていると面倒だと感じてしまうでしょう。
地方の場合は、車がないと生活が不便な場所もたくさんあります。公共交通機関の利便性が悪く、マイカー通勤をせざるをえなかったり、スーパーが遠くて徒歩や自転車では行けなかったりすることもあります。
交通の利便性以外にも、店舗の閉店時間が総じて早いなどもあります。
移住する前にリサーチしておいて心構えすることが大切です。
地方で仕事をする方法
地方で見つけられる仕事の種類や数は、都心に比べると限られます。
しかしやり方しだいで、地方で仕事をする方法はいくらでもあります。
今の仕事を継続する
昨今ではコロナ禍の影響で、会社に通いやすい場所に住んでいなくても、リモートで仕事を完結できる会社が増えてきました。
もし、現在勤めている会社が完全リモートワークがOKであるならば、都心の会社に勤めたままで地方移住できます。
接客業や医療系など人と直接会わないとできない仕事だとリモートワークは難しいかもしれませんが、エンジニアや営業などオンラインでも働ける職種であれば、今の仕事を辞めずに地方移住できる可能性があります。
現地の企業へ就職する
現地の企業に就職する方法もあります。今までのキャリアを活かせる仕事を探すのもよいですし、地方移住を機に思い切ってまったくの異業種に挑戦するのもよいでしょう。
地方では高齢化の進行や若者の流出により、都心よりもはるかに人手不足が深刻です。特に農業や林業、製造業、介護などの需要は高いため、未経験でも就職できるチャンスは十分にあります。
こういった需要が高い仕事に就きやすくするための支援制度もあります。
国や自治体の制度には、地方で未経験の職種に就職する方へ支援を行っているケースもあるため、利用できるものがないか確認しておきましょう。
例えば林業に関しては、林野庁の補助事業である「緑の雇用」という制度があります。未経験の方でも必要な技術をしっかり学び、林業に携わることができます。
参考:「緑の雇用」とは? - 森林の仕事、林業で働きたい方の就業を支援『緑の雇用』RINGYOU.NET
現地で起業する
移住先で起業するというのも選択肢の一つです。
起業の方法としては「雑貨屋やカフェなどのお店を開く」「ゲストハウスや民宿などの宿を始める」などがあります。
地方は都心に比べて格段に家賃や光熱費が安いため、固定費を抑えて開業できるのが大きな魅力です。
地方には空き家も多く、なかには「まだ活用できるのに眠っている」という建物もたくさんあります。相場よりも格安な空き家や、場合によっては(税金などを除いて)ゼロ円で譲渡してもらえる建物も存在します。
全国にある空き家の情報は、各自治体の「空き家バンク」というサイトでもチェックできるため、移住先で起業を考えている方は利用を検討するのもよいでしょう。
参考:建設産業・不動産業:空き家・空き地バンク総合情報ページ - 国土交通省
さらに起業支援金も要チェックです。支援金について詳しくは後述します。
業務委託(フリーランス)で働く
業務委託(フリーランス)で働く方法もあります。
例えば、
・Webライター
・イラストレーター
・プログラマー
・エンジニア
・Webデザイナー
・フォトグラファー
・動画作家
などがあります。
フリーランスの仕事は、会社員に比べ地方移住先で行うハードルが低いです。
上記の仕事は特に大きな元手が必要なわけでもなく、パソコンとWi-Fi環境が整っていれば場所を選ばずに働けます。クライアントが都心にいても、打ち合わせや日々のやり取りはオンラインで行えます。
地域おこし協力隊に参加する
地方ならではの仕事として、「地域おこし協力隊」もあります。
地域おこし協力隊とは、高齢化や人口減少が進む地域に移住して地域協力活動を行い、協力金という形で給料を受け取る仕組みのことです。地域協力活動には、農林水産業や医療・福祉、教育、伝統芸能の応援など、さまざまな種類があります。
活動期間はおよそ1年以上3年以下です。
地域おこし協力隊で働く場合は、各自治体の募集要項に沿って応募しましょう。応募すると、自治体による書類選考や面接を経て採用が決定します。
人の役に立つことが好きな方や、せっかく地方にいるので地元の方々と交流したい方にはぴったりの方法です。
詳しくは地域おこし協力隊の公式Webサイトをご確認ください。
参考:地域おこし協力隊/ニッポン移住・交流ナビ JOIN
地方での仕事の探し方
地方への移住を決めたら、どのように現地での仕事を探し始めればよいのでしょうか?
開業やフリーランスを目指す場合以外における、地方での仕事の探し方をご紹介します。
自治体の就業支援を活用する
各自治体で、UターンやIターン希望者向けの就業支援サイトを公開していることもあります。細かい区域ごとに仕事を探せるので、ピンポイントで住みたい地域が決まっている方にもおすすめです。
指定された条件を満たしていれば、国から移住支援金や助成金が支払われることもあります。
主な公的支援金には下記の2種類があります。
支援金額 | 対象 | |
---|---|---|
起業支援金 | 最大200万円 | 地域の課題解決に資する社会的事業を新たに起業等する方 |
移住支援金 | 最大100万円 (単身の場合は最大60万円) |
東京23区に在住または通勤する方が、東京圏外へ移住し、起業や就業等を行う方 |
参考:起業支援金・移住支援金 - 地方創生/内閣官房・内閣府総合サイト
対象者の条件はそれぞれ細かく定められているので、自分が対象に入るかは上記の参考サイトをご確認ください。
人気の自治体では予算の上限に達し次第、支援金申し込みを中断する場合もあります。
移住者向け説明会に行く
東京や大阪などの大都市では、定期的に移住希望者向けの説明会が行われています。
説明会の規模としては「特定の都道府県だけの説明会」「移住先に迷っている方向けに国内を全部網羅している説明会」などさまざまです。
説明会のメリットは、会場にいる自治体の担当者に直接移住について相談できる点です。
仕事探しの情報はもちろん、現地の暮らし方や子どもの学校の選び方など、具体的に教えてくれます。
移住の不安点をしっかり相談して解決したい方には、説明会参加がおすすめです。
地方移住に特化した求人メディアやハローワークで探す
求人メディアやハローワークで探す方法もあります。
求人メディアのなかには地方移住者に特化したメディアもあるため、希望の地域が決まっている方は一度見てみると良いでしょう。
ハローワークで仕事を探すこともおすすめです。特に人口が少ない地方では、求人メディアではなくハローワークにしか求人を出していないケースも多いです。地元の中小企業もハローワークに求人を多く出しています。
ハローワークの職員の方に相談しながら仕事探しができるので、特定の仕事の希望がまだ決まっていない方は、まず相談がてら行ってみるのもおすすめです。
地方でできる副業を始めてみる
本業ではなく副業として少しずつ関わっていくところから始めるのも1つの方法です。
副業といっても、広報や経理、マーケティングなど自分のキャリアや得意分野に合わせてさまざまな選択肢があります。
特に、前述のとおり介護職や農業などは地方では人員不足が深刻です。まずは副業として少しずつ始めてみるのも良いでしょう。
もしくは自宅でできるWebライティングやデザイン、データ入力、アンケートモニターなどもおすすめです。
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まとめ
地方での生活や仕事の選択肢は、都心と大きく変わります。
しかし、生活コストを抑えられるなど地方だからこその住みやすさという魅力もありますし、地域おこし協力隊など現地でしか体験できない仕事を選べるのも地方移住のメリットといえるでしょう。
場所を選ばず気軽にできるお小遣い稼ぎとして、アンケートモニターという選択肢もあります。住む場所にとらわれず、日々のちょっとした隙間時間でできます。
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