一人暮らしの人にとって、仕事と家事の両立は大変なことです。特に忙しい日々の中では、家事に時間を割く余裕がなく、負担を感じることも多いのではないでしょうか。限られた時間の中で、いかに効率よく家事をこなすかは、重要な課題です。
そこで最近注目されているのが「家事代行サービス」。プロに家事をお願いすることで、時間を節約し、生活をより快適にできるとされています。でも、実際にどれくらいの人が利用しているのか? また、家事でどんなストレスを感じているのか? そんな疑問を解決するために、全国約2,000人の一人暮らしの方を対象にアンケートを行いました。
この記事ではそのアンケート結果をもとに、家事の現状や家事代行サービスの利用状況を見ていきます。
【AI vs. リアル】
また、今回も最新のAI技術の一つである生成AI「ChatGPT-4o」に、アンケートの結果を予測させた後、実施したアンケートの調査結果と比較していきます。どんどん進化するAIの予測能力が、現実に追いつくことはあるのか…様々な角度から見る調査結果をお楽しみに!
※この記事ではAIの予測と実際の調査結果のずれが5%未満であった場合、予測を「的中」と表現しています。
一人暮らしの家事負担とストレスの現実
一人暮らしの人にとって、家事は毎日の大きな負担になりがちです。どんなに仕事が忙しくても、掃除や洗濯、料理といった家事はこなさなければならないもの。しかし、限られた時間の中で全てを完璧にこなすのは難しいことが多いですよね。
まずは、家事にどれくらいの時間がかかっているのかをデータで確認してみましょう。
家事に使う時間
実際にアンケートを見てみると、家事に1日1時間未満しかかけられないという人が53.1%もいることがわかりました。さらに、1〜2時間かけている人も34.4%と、全体の約9割の人が2時間以内で家事を済ませています。
では、どの家事が最も時間を取っているのでしょうか?
最も時間がかかる家事
アンケートでは、「料理」が33.2%でトップ、次いで「掃除」が30.5%、そして「買い物」が20.6%という結果になりました。忙しい仕事の合間に料理や掃除をこなすのは、やはり大変ですよね。
ストレスを感じる家事
さらに、ストレスを感じる家事についても聞いたところ、最も多かったのが「掃除」で39.2%、次いで「料理」が17.3%。一方で、家事にストレスを感じない人も27.9%いるという結果でした。なんとなく生活しながら感じてはいたものの、掃除や料理には時間もストレスもかかることが、今回の調査で改めて明らかになりました。
家事代行サービスの利用実態と満足度
家事代行サービスは、一人暮らしにとって、家事の負担を軽減できる便利な選択肢です。しかし、実際にどれくらいの人がこのサービスを利用しているのでしょうか?
まずはAIに認知度と利用率を予測してもらいましょう。
【AIに聞く】家事代行サービスの利用率
AIに質問
どれくらいの人が家事代行サービスを知っていますか?
AIの回答
家事代行サービスは比較的知名度が高まっているため、「知っているが利用したことはない」と答える人が多いと予測しました。
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【生活者に聞く】家事代行サービスの利用率
AIの予測が的中せず!
実際の調査結果では、AIが予測したよりも家事代行サービスが認知されていることが分かりました。一方「利用したことがある」割合についてはAIが10%と予測したのに対し、実際の結果が5.0%と低い結果になりました。多くの人がサービスを知っているものの、利用には至っていない状況がわかります。
【利用者に聞く】家事代行サービスに依頼した家事
実際に家事代行サービスを利用した人に、どの家事を依頼したかを聞いたところ、「掃除」が42.7%で最も多く、次いで「料理」が29.1%という結果でした。掃除や料理といった時間がかかる家事を代行してもらうことで、効率的に時間を節約していることがうかがえます。
では、利用者の満足度はどうでしょうか。
【利用者に聞く】家事代行サービスの満足度
結果では、「まあまあ満足」(38.5%)と「普通」(35.9%)が多く、全体の約7割が一定の満足を感じていることがわかりました。ただし、「非常に満足」と答えた人は10.3%と少なく、サービスに対して完全な満足感を得ている人はまだ限られているようです。
この結果から、家事代行サービスを利用し、特に掃除や料理といった負担の大きい家事を任せている人は、全体の5%ほどでまだ広く普及しているわけではなく、利用者が感じる満足度にも個人差があることがわかります。
※家事代行サービスの依頼内容に関するアンケートは、117名を対象に実施したものであり、全体の利用実態を必ずしも正確に反映しているとは限りません。あくまで参考データとしてご覧ください。
家事代行サービスを利用する理由と利用しない理由
家事代行サービスを利用する理由については、人それぞれ異なりますが、時間の節約やストレスの軽減が主な目的として挙げられます。アンケート結果からも、サービスを利用した人の多くは、負担の大きい家事を外注することで、日々の生活をより効率的に過ごすことを目指していることがわかります。
【生活者に聞く】依頼したい家事
家事代行サービスを利用したことのない人を対象に、実際に「家事代行サービスを利用するなら、どの作業を依頼したいか」という質問に対して、最も多かった回答は「掃除」(63.3%)次いで、「料理」(31.6%)や「買い物代行」(14.6%)が続き、時間と手間がかかる作業を他者に任せることで、自由な時間を確保したいというニーズが伺えます。
一方で、なぜ多くの人が家事代行サービスを利用していないのか、という点も見逃せません。AIの予測と合わせてみてみましょう。
【AIに聞く】家事代行サービスを利用しない理由
AIに質問
家事代行サービスを利用しない理由を予測してください。
AIの回答
家事代行サービスは他のサービスと比較して高価であるため、特に家事に時間をかけられる場合や、収入が限られている若年層や一人暮らしの人々にとっては大きな障害となると予想しました。選択肢ごとの予想は以下です。
選択肢 | 予測 |
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【生活者に聞く】家事代行サービスを利用しない理由
AIの予測が的中せず!
「費用が高い」ことが家事代行サービスを利用しない最大の理由であり、AI予測よりも10%以上高い結果となりました。一人暮らしにとっては高額なサービスであり、特に経済的に余裕がない層にとって費用は大きな障壁となることが予想以上に強調されたと考えられます。
また、「他人が家に入ることに抵抗がある」(27.9%)や「必要性を感じない」(26.6%)という理由も挙げられています。費用に対する懸念やプライバシーの問題は、家事代行サービスを利用する上での大きなハードルとなっているようです。今後、サービスがより身近で使いやすいものになるためには、こうした障壁をどう取り除いていくかが重要な課題となりそうです。
生活者が家事代行サービスに期待していること
一人暮らしにはまだまだ利用率の低いことが分かった家事代行サービスですが、一人暮らしの方が利用する際、どのような変化やメリットを期待しているのでしょうか?
AIの予測を含め見ていきましょう。
【AIに聞く】生活者が家事代行サービスに期待していること
AIに質問
生活者は家事代行サービスを利用することで、生活がどのように変わると期待していますか。
AIの回答
家事代行サービスを利用することで一番期待される効果は、自由時間が増えることだと考えました。
選択肢 | 予測 |
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AIは生活者が家事代行により「自由時間が増える」ことを最も期待していると予測しました。
早速実際のデータと比べてみましょう。
【生活者に聞く】生活者が家事代行サービスに期待していること
AIの予測が的中せず!
実際には、自由時間が増えることに対して期待している人は予測よりもかなり少ないことが分かりました。また、実際の調査結果は全体的に期待値が低く、生活者に家事自体が生活の一部として受け入れられている可能性が考えられます。
一方「生活が快適になる」の回答については結果(19.9%)がほぼ予測(20.0%)通りとなりました。家事代行サービスによって生活環境が整うことで、生活の快適さが向上すると期待する人は一定数いることが確認できました。
家事代行サービスがまだ一般の人々の生活に深く浸透しておらず、家事を任せるという文化的な抵抗感や費用対効果に疑問を持っている人が多いことを表す結果となったのではないでしょうか。
家事代行サービスは一人暮らしに浸透していくのか
家事代行サービスは、現在のところ多くの人が「知っているが利用していない」という状況にありますが、今後どのように広がっていくのでしょうか。アンケートデータを基に、家事代行サービスの今後の浸透の可能性を見てみましょう。
【生活者に聞く】家事代行サービスの利用意向があるか
今後、家事代行サービスを利用する意向があるかに対する回答では、「ぜひ利用したい」と答えた人は3.5%、「利用するかもしれない」が19.1%という結果でした。一方で、「あまり利用したくない」(41.8%)や「絶対に利用しない」(35.6%)といった消極的な意見が過半数を占めています。
この結果から、現時点では大多数が家事代行サービスの利用に積極的ではないことがわかります。しかし、約20%が「利用するかもしれない」と考えている点は注目すべきポイントです。これらの人々は、現状では利用に至っていないものの、サービスのコストやプライバシーの問題が解決されれば、今後利用する可能性があるのではないでしょうか。
また、サービスの認知度は高いため、家事代行の利便性や利用者の成功体験が広まるにつれて、利用に対するハードルが下がる可能性もあります。現在利用していない層の中には、興味はあるがまだ試していない、あるいは具体的なメリットを感じていない人が多いと考えられます。
まとめ
この記事では、一人暮らしにおける家事の負担と、それに対する家事代行サービスの利用実態についてアンケートデータを基に見てきました。家事代行サービスは、時間の節約や生活の質を向上させる有効な手段として認知されつつありますが、利用にはまだハードルがあることが明らかになりました。
まず、多くの人が家事に追われ、特に「料理」や「掃除」が大きな負担となっていることがわかりました。時間が限られている中で、こうした家事にストレスを感じている人も多く、家事代行サービスに対する期待感が高まっています。
一方で、実際の利用率は低く、利用をためらう主な理由として「費用が高い」「他人が家に入ることへの抵抗」が挙げられました。これらの課題を解消することで、サービスがさらに広がる可能性があります。
【AI vs. リアル】の結果
今回はAIに3つの質問をし予測してもらいましたが、1問も的中しない結果となりました。
サービス自体がまだ浸透しておらず、ネット上でのデータが少なかったことが原因と考えます。またAIは家事代行サービスについて生活者の期待値を高く見積もっており、日本の文化的に家事を外部に任せることや他人が家に入ることの心理的ハードルを理解できていなかったようにも見えます。
文化的な背景や心理的な作用が結果に大きく反映される場合、AIの予測をあくまで一つの参考として捉える必要がありそうです。
調査概要
- 調査方法:
- infoQでwebアンケート実施
- 調査期間:
- 2024年9月13日(金)〜2024年9月17日(火)
- 有効回答:
- 2,336サンプル
- 調査対象:
- 一人暮らしの全国15~59歳男女