ダブルワークで収入アップ|両立のコツや確定申告が必要となる条件も解説

ダブルワークで収入アップ|両立のコツや確定申告が必要となる条件も解説

すでにパートやアルバイトとして働いているものの、さらに収入を得たい、あるいは現在の仕事だけでは収入が足りないと考えている方もいるかもしれません。

また、今後の人生に備えて新たなスキルを獲得したいと思う方もいるのではないでしょうか?

これらの悩みを解決する有効な手段の1つに、「ダブルワーク」があります。ダブルワークとは、2つの異なる仕事や職務を同時に行うことです。収入やスキルが増えることに加え、気分転換になることなどのメリットがあります。

ただ、ダブルワークをすると、時間や体力面で両立ができるのか、もしくは始める前に複雑な手続きはないのか、など不安を感じる人もいるかもしれません。今回は、ダブルワークをする際の注意点や、両立のコツ、確定申告が必要となるケースについて詳しく解説します。

ダブルワークとは仕事を掛け持ちすること

 

ダブルワークとは、一般的に2つの異なる仕事や職務を同時に行うことです。1つの仕事だけでは生計を立てることが難しい場合や、スキルや興味を活かすために複数の仕事を掛け持ちしたい場合などに行われます。

基本的にダブルワークは誰でも取り組めるため、興味をもっている方も多くいます。しかし、企業によっては、情報漏洩などの観点からダブルワークを禁止しているケースもあるため、あらかじめ自身の勤務先の就業規則を確認したうえで始めることが大切です。

副業との違い

副業は、メインの本業がある人が空き時間や休日などを利用して追加で取り組むものです。よって、企業などの組織に勤めている会社員が、自身のスキルを活かすためなどあくまで補助的な収入源であるという意味合いがあります。

一方ダブルワークは、両者の優先度や比重に差がない状態を指すため、どちらか一方がメインの仕事で、もう片方がサブの仕事ということはありません。

兼業との違い

兼業は「複数の仕事」を掛け持ちしている状態を意味するため、仕事の数が限定されていません。一般的には、受け持っている複数の仕事にかける労力が同じ場合、「兼業」と呼ぶことが多いようです。

例えば、午前に1つ目の仕事を完了させて2つ目の仕事を午後に実施するケースでは、労力や時間が同じ程度なので、「兼業」と呼ぶべきと考えられます。

ダブルワークは兼業の1つの形態として考えられますが、文字通り「2つの仕事」を掛け持ちしている状態を指します。また、兼業は「異なる職種」を同時に行っていることを指すことが多く、若干ニュアンスの違いもあります。

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ダブルワークのメリット

ダブルワークを行うことには、さまざまなメリットがあります。代表的なメリットを5つ解説します。

収入が増える

現代は、1つの仕事だけで給与をアップさせることは簡単ではありません。それには良い成果を残して昇進・昇給していかなければならず、期間と労力がかかります。

また、転職により収入を増やすことも選択肢かもしれません。ただ、転職で年収をアップさせられる保証はなく、キャリアアップにつながらなかったケースもありえます。実際に転職してみると、求人情報と条件が違っていたということは、十分考えられる話です。

しかし、ダブルワークであれば、単純に今の仕事に加えて新たに収入源を増やすため、収入を簡単に増やせます。また、現在の環境を大きく変更することもなく、本業でのキャリアを維持しつつ収入をアップできることもメリットです。

スキルや経験が増える

ダブルワークとして開始した仕事が現在の仕事と同じ内容であれば、さらに仕事のスキルや知識を充実させられます。

反対に、ダブルワークの仕事が異なる職種であれば、あらゆる業務を経験することで未経験分野の技術やノウハウを獲得できるかもしれません。さらに現在の仕事で得た経験を2つめの仕事に役立てることもできます。

例えば、テレフォンアポインターで顧客に対する言葉遣いを覚え、それをダブルワークで行っているレストランでの接客業務で役立てることもできるでしょう。

また、将来的に起業や転職をしたいと考えている方にとっても、得た知識やノウハウを役立てられるシーンもあるかもしれません。

人間関係や視野が広がる

仕事が異なると関わる人も変わるので、ダブルワークを行うとそれだけ人脈が広がります。

バックグラウンドや考え方、スキルが全く異なる人と出会うため、良い刺激になることもあるかもしれません。

また、よい人脈を築くことで人生がより豊かになり、例えば起業する場合にも、ダブルワークで得られた人脈が手助けになることもあります。

気分転換になる

長時間同じ作業をくり返すと誰しも飽きが生じてしまうものです。しかし、作業内容が変わることで飽きずに仕事ができます。

例えば、コンビニなどでパート勤務している方が、在宅のWebデザイナーの仕事をすることで、よい気分転換になるかもしれません。

ダブルワークで互いの業務を並行して作業することで、モチベーションを高めて互いの仕事を長い期間続けることも期待できるでしょう。

リスクヘッジになる

ダブルワークで片方の仕事が、企業の業績悪化などで給与ダウンや最悪解雇になったとしても、もう1つの仕事があれば収入はゼロになりません。複数の収入源があることで、将来に不安を感じてきた方も安定した生活を送れることは、見逃せないメリットです。

ダブルワークのデメリット

収入アップやスキル向上にもつながるダブルワークですが、デメリットもあります。

休みやプライベートの時間がとれない

ダブルワークを行うと単純に労働時間が増え、休日やプライベートの時間が減る可能性があります。収入が増えたものの、休みやプライベートを犠牲にした結果、かえって幸福度が下がっては意味がありません。

例えば、平日休日問わず日中帯と夜間に別々の勤務先で長時間パートで働くなど、過酷なスケジュールを組むことで過労に至るかもしれません。特にダブルワークで大切なことは、無理のない計画を立て、なにか不測の事態が起こっても対応できる余裕を持ちながら働くことです。

過労による体調不良を引き起こすおそれがある

ダブルワークで休みをしっかりとれない状態が続くと、仕事の疲れがたまってしまい体調不良に至るかもしれません。自身の体力が続く範囲内で、実施できる仕事量を調節する必要があります。

スケジュールの把握が大変になる

ダブルワークでは、それぞれの仕事が直接関連しないためスケジュール調整が難しく、混乱する恐れもあります。

そのためダブルワーク開始直後には、スケジュールをうまく把握できず業務に支障をきたすこともあるかもしれません。

ダブルワーク禁止の場合、ばれると処罰を受けることがある

ダブルワーク自体は法律では禁止されていないものの、就業規則で別の仕事をしないよう規定している企業もあります。

ダブルワークを禁止する理由は、企業機密の漏洩や自社の業務に支障が出ることを恐れるためと想定されます。もしくは、別の仕事をすることで労力を取られ、ミスが生じてトラブルの原因になりかねないと判断する企業もいるかもしれません。

ダブルワークを禁止していない企業でも、仕事に支障が出てしまうことを恐れて上司などから相談されることも考えられます。このようなトラブルを防止するため、まずは勤務先の就業規則を確認しておきましょう。

精算作業

ダブルワークで確定申告が必要なケース

ダブルワークで確定申告が必要が否かは、ダブルワークの実施状況によって異なります。

ただ、どのような場合でも所得税や住民税は、ダブルワークも含めた年間所得の合計額に対してかかることには変わりません。

ここでは、ダブルワークで確定申告が必要なケースを5つ解説します。

2ヶ所から給与所得を受け取っていて、かつ両者から年末調整を受けないとき

2ヶ所から給与をもらっている人が、どちらの企業からも年末調整を受けていない場合は、確定申告が必要です。

通常、給与所得を得ている人は給与から源泉徴収がされていますが、これは所得税の概算を差し引いているだけにすぎません。よって、正しい金額を納税するためには確定申告で納税額の精算が必要で、この精算に当たる手続きが年末調整です。

この年末調整を、ダブルワークをしているどちらの企業からも受けていない場合、自分で確定申告をしなければなりません。また、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出していないなどの理由があれば、勤務先双方から年末調整を受けられないこともあるので注意が必要です。

年末調整を2ヶ所でしてしまったとき

所得税を正しく計算するために、年末調整を受けられるのは1人1ヶ所までと規定されています。したがって、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出できるのも、一度に1人1ヶ所までです。

もし、間違えて両方の勤務先に提出してしまった場合、所得税の計算が正しく行われないため自身で確定申告を行い、改めて所得税の申請および精算を行わなければなりません。

2ヶ所から給与所得を受け取っていて、1ヶ所で年末調整を受けるとき

年末調整を受けられるのはダブルワーク先のうち1社のみです。よって、年末調整をしていない方の会社から得られた収入については本来納めるべき税額と、源泉徴収によって納めた金額がずれたままになります。その分は、自分で確定申告しなければなりません。

ただし、以下のようなケースでは確定申告は不要です。

確定申告が不要なケース
  1. 年末調整を受けていない勤務先の給与収入の合計金額と、年末調整をした給与を除いたそれ以外の所得金額の合計が20万円以下
  2. 給与収入の合計額から所得控除分(※)を引いた金額が150万円以下、かつ給与以外の所得金額の合計が20万円以下
    ※雑損控除、医療費控除、寄附金控除および基礎控除を除く

年収が103万円以上かつ年末調整を受けた給与所得以外に20万円を超える所得があるとき

以下の条件がすべてそろっている場合も、自分で確定申告しなければなりません。

自身で確定申告が必要なケース
  • 2ヶ所の年収の合計が103万円を超えている
  • 1ヶ所の勤務先で年末調整を受けている
  • 他に得た雑所得や事業所得が20万円を超えている

その際には、あくまでも収入ではなく所得の金額に注目しましょう。例えば、ダブルワークで50万円の収入を得ていて、仮に30万円以上の経費がかかっている場合、所得は20万円以下と計算できるため、確定申告は不要です。

ただ、税務署に確定申告しない場合、他に得た雑所得や事業所得が20万円以下であっても住民税の申告は実施しなければなりません。

事業所得と雑所得の合計金額が48万円を超えるとき

事業所得もしくは雑所得の合計金額が、基礎控除額である48万円を超えた場合にも、確定申告が必要です。

事業所得、雑所得は、クラウドソーシングや在宅ワーク、または個人で依頼を受けるなどでダブルワークしている場合の所得を指します。特に、事業が継続的に行われ規模も大きいと判断されれば、事業所得に該当します。

ダブルワークを行う際には社会保険や雇用保険の扱いにも注意

ダブルワークでは、確定申告だけでなく社会保険や雇用保険についても、注意しなければなりません。

社会保険

ダブルワークをしている人で、それぞれの会社で社会保険適用者に当てはまる場合、両方の会社で社会保険に加入する必要があります。ただ、社会保険証を2つ持つ必要はありません。

社会保険適用者となる条件には、勤務時間や給与などがあります。詳細は日本年金機構のホームページを参照ください。

また、ダブルワークを行っている場合、社会保険の手続きは自分で行わなくてはいけません。さらに、年金支給額は増えるものの、単純な額面と比較して手取りが減少することにも注意が必要です。

雇用保険

雇用保険の加入条件は、1週間あたりの労働時間が20時間以上で、かつ31日以上の雇用の見込みがあることです。

社会保険とは異なり、2つの勤務先両方が加入条件を満たしていても、どちらか一方でしか加入できず、2ヶ所のうち給与が高い方の勤務先で加入します。

雇用保険では必要な申告を怠ると不正な失業手当受給とみなされ、ペナルティがあるため十分に確認しなければなりません。

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ダブルワークを両立させるコツ

それではダブルワークを両立させるコツを紹介します。

ダブルワークでは、2つの仕事を同時に掛け持ちしなければならず、1つの仕事をする場合とは違った難しさがあります。どちらの仕事も両立させるために、まずは2つのコツを心がけてみてはいかがでしょうか。

忙しい中でも時間管理を怠らない

ダブルワークを行うと仕事の時間が長くなります。そのため、十分に休息時間を確保しなければ体調を崩すことや、パフォーマンス低下につながりかねません。

また、高収入を目指すあまり、ダブルワークを行うことで片方の仕事やプライベートがおそろかになってしまっては本末転倒です。

例えば、子どもがいる場合、仕事に時間を取られて子どもと接する時間を十分確保できなければ、自分にも子どもにもマイナスの影響が出かねません。さらに、目標設定を高くしすぎると無理してしまうことも考えられます。

大切なことは、業務量が増えて仕事が忙しくなっても、時間管理を徹底して家事やプライベートとの両立を図ることです。

続けやすい仕事を選ぶ

場所や業務の違う仕事をするため、長く続けやすい仕事を選ぶことが重要です。例えば、体力がない人には、肉体労働はおすすめできません。

また、ダブルワークをやりすぎて、体力や気力がもたなくなっては本末転倒です。よって、例えばフルリモートで自分が仕事量を決められる単発の仕事から始めていけば、自分の体力・気力と相談しながらスケジューリングできます。

ダブルワークにおすすめの仕事

最後に、ダブルワークにおすすめの仕事を8つ紹介します。

クラウドソーシング

クラウドソーシングとは、仕事を依頼したい企業と仕事を探している個人のマッチングサービスです。自分の得意なことを活かした仕事を探しやすいため、自分にあった仕事を探しやすいメリットがあります。

例えば、Webデザイン、プログラミング、ライティング、営業、事務、経理、テレアポなど、さまざまな職種をWebサイト上でマッチングできます。

また、主にプロジェクト単位で仕事が募集されているため、自分でスケジュール管理がしやすいこともメリットです。フルリモートの案件も多いため、仕事を選べばPCからいつでもどこでも仕事ができます。

時給制の仕事もあり、企業によってはパソコンが貸与されるケースもあるので、探してみてください。

他にも、比較的高単価な案件も多く、高いスキルを保有していれば高収入も目指せることもメリットです。もし特段資格やスキルがない場合でも、まずは低単価の案件から受注してコツコツ実績を積み、スキルアップして高単価の案件を狙うことも考えられます。

アフィリエイト

アフィリエイトは、自分でブログやサイトを運営し、広告を掲載することで収入を得る手法です。締切などの成約がないため、文書作成が好きでかつ自分のペースで仕事をしたい方にはおすすめできます。

ただ、ブログやサイトのアクセス数を増やさなければ収益をあげられないため、収益化にはある程度の期間がかかることが難点です。一般的に、新規のブログで1万円以上を稼ぐまでには半年から1年かかると言われています。

収益を安定させられるまで、ある程度長い期間を要しても問題ない方におすすめです。

接客業

コンビニや飲食店には、夜間や休日も営業しているお店が多いため、別の仕事の後や休日に働けます。特に、コンビニやファミリーレストランであれば全国各地にあるため、自宅の近くで仕事を探しやすいこともメリットです。

人と接して気分転換をしたい、もしくはデスクワークばかりでは疲れてしまうと感じている方におすすめします。

コールセンター

コールセンターは、顧客からの問い合わせやクレームに電話で対応する仕事です。顧客と顔を合わせる必要がないので、髪型や服装など、容姿に関する規定が比較的ゆるい傾向があります。

未経験でも始められる案件が多く、完全リモートでも実施できる仕事のため、メイン以外の仕事として取り組みやすい職種です。

採点・添削

採点・添削は、在宅でできる求人も多い仕事です。基本的には解答や採点基準などが用意されているため、ある程度の学力さえあれば取り組みやすいと言えます。

提出締切はありますが、多くの場合納期にさえ間に合えば、いつどこで取り組むか自由な仕事です。また、学生の成長を見守っている気分になれ、モチベーションも高まりやすい仕事でもあります。

内職

袋詰めや包装、裁縫などが代表例な内職です。家の中で作業が可能な家政系の仕事が大半で、仕事の種類は豊富にあります。

自分の好きなペースで作業ができることが大きなメリットで、黙々と行う単純作業が多く、集中力が長く続く人におすすめです。

例えば、ポケットティッシュへのチラシ広告入れ、アクセサリー作り、宛名書き、ダイレクトメールの封筒入れなど、家事の合間に家でできる仕事は多くあります。

イベントなどの単発労働

1日から数日間にかけて行われるライブやイベントなどの、運営スタッフの仕事もよくあるダブルワーク先です。単発の案件が多いため、イベントの準備の日や当日に空いていればすぐに収入を得られます。

単価が高くない案件が多いものの、探せば高単価の案件もあります。体力勝負の案件も多いため、体を動かすことが得意な人におすすめです。

ポイ活、アンケートモニター

ポイ活やアンケートモニターは、アンケートに答えたり、イベントやキャンペーンを通じてポイントを貯めたりすることで、換金して収入を得る仕事です。

スキマ時間にできる点が大きな魅力で、忙しい会社員でも簡単に始められます。高収入は期待できませんが、確定申告や保険加入などは基本的には必要ありません。手軽に副収入を得たい方におすすめです。

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まとめ|ダブルワークは収入を増やすやり方の1つ

 

ダブルワークとは、2つの異なる仕事や職務を同時に行うことです。収入を増やしたい人、スキルや経験を積みたい人におすすめできます。基本的には誰でもできますが、企業によっては禁止しているケースもあるため、勤務先の就業規則をよく確認することが重要です。

また、ダブルワークを行う際には確定申告にも注意しなければなりません。自分の所得金額や雇用状況を確認し、確定申告の有無や年末調整の提出先を確認しておきましょう。

よくある質問

Q1.正社員がダブルワークしても問題はない?

正社員がダブルワークをすること自体は、違法ではありません。 むしろ、厚生労働省は副業・兼業の普及を推進しています。ただ、就業規則によりダブルワークが禁止されている企業もあるため、確認が必要です。

詳しくは、「ダブルワーク禁止の場合、ばれると処罰を受けることがある」の項をご覧ください。

Q2.ダブルワークをしていても、確定申告が必要ないケースは例えば何?

例えば副業の所得や収入が20万円以下の場合、所得税の確定申告は不要です。ただ、税務署に確定申告しない場合は、他に得た雑所得や事業所得が20万円以下であっても、住民税の申告は必要になります。

詳しくは、「年収が103万円以上かつ年末調整を受けた給与所得以外に20万円を超える所得があるとき」の項をご覧ください。

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