【調査】ChatGPTとは?実際どのくらいの人が使っている?料金や機能も紹介
ChatGPT(チャットGPT)とは
そもそも生成AIとは、あらかじめ学習したデータをもとに、画像・文章・音楽・デザインなどを新たに作成する人工知能(AI)の総称です。文部科学省が生成AIの学校向けガイドラインを公表したことなどから、ネットやメディアでも話題となりました。
AIを活用した身近な例としては、企業のホームページやLINEなどに取り入れられているチャットボットなども挙げられます。
ChatGPTでは、これまでGPT-3.5モデルを使用していましたが、2023年3月に最新モデルであるGPT-4が発表されました。GPT-3.5からGPT-4へのアップデートにより、さらに高精度な回答が可能となりました。このようにChatGPTに使われているAI技術は、日々信頼性を高め、進化しています。
この記事では、infoQで20〜65歳の会社員5,000人を対象に行った調査を基に、生成AIの実際の利用率や年齢ごとのAIに対する意識を明らかにしながら、ChatGPTの特徴や使用方法について解説します。
あなたは、生成AIを実際に使ったことがありますか。
「あなたは、生成AIを実際に使ったことがありますか」という問いに対して、「使ったことがある」と答えた人は34.8%でした。
また、年代ごとに「ChatGPTを利用していますか」(無償版・有償版)と聞いてみると、30代の利用率が最も高い結果でした。他の年代よりも高いとは言っても、30代の利用率であっても22.4%にとどまっています。
世代問わず、活用方法が分からない
「あなたの会社にとって、生成AIはどのような存在ですか」という質問に対して、どの年代においても40%以上の人が「わからない」と回答しています。つまり、生成AIをどう捉えるべきか、まだ検討がついていない人が多いと言えます。
捉え方が分かりかねる一方、「今後ChtaGPTなどのAIを活用していきたいですか」という質問には、「積極的に使っていきたい」「必要であれば使っていきたい」の合計が過半数を 占める結果となりました。
また、「可能な限り使いたくない」「全く使いたくない」と回答した20代は50.8%、60代は43.4%と、年齢層が高いほどAIについて否定的な回答が少ない傾向も見られました。年齢の高い方ほど新しい技術に拒否感を抱くのではないか?と考える方も多いと思いますが、そのような懸念はないようです。
すべての年代において、AI技術に興味を抱いている方が一定数います。活用できるシーンやその方法を示すことで、利用率がより上昇する見込みがあるのではないでしょうか。
ChatGPTの機能
それでは、次に仕事や日常生活においてどのようにChatGPT AIを活用することができるのか、その方法を紹介します。
まずはChatGPTの主な機能についてです。
- 質問への回答
- 文章の要約・添削
- 文章の作成(口調や文章表現方法の指定も可能)
- リストや比較表の作成
- 翻訳
- 対話
- アイデア出し
- ペルソナ作成
- 記事構成の作成
- プログラミング
- スケジュール作成
- 言語学習
ChatGPTは、歴史、科学、文化、スポーツ、エンターテイメントなど幅広いジャンルの質問に対応できます。しかし、2023年7月現在は、2021年9月までの情報を基に回答が作成されるため、トレンドやニュース性が担保できているとは言えません。また、医学、金融といった専門性の高さが求められる領域は、正しい情報であるか含めて特に注意が必要です。
ChatGPTが得意なこと
AI技術の特性と重なりますが、ChatGPTには得意分野があります。
- 文章作成・要約・校正
- 質問応答
- 対話
- データの処理
生成AIの利用者のアンケート結果を見ても、「あなたが考える生成AIのメリットを教えてください」という複数回答可の質問には「業務効率・生産性の向上」「データ分析」が上位にランクインしています。
ChatGPTの始め方
ChatGPTの始め方は簡単です。公式サイトにアクセスして、PCからでもスマートフォンからでも、以下の手順で始められます。
なお、流行りに乗じた偽サイトやアプリが出回っているため、注意が必要です。公式サイトは英語表記となっており、画像左下「Try ChatGPT」から自身の情報を登録すればWeb上で利用できます。何かダウンロードを迫られたり、訳していないのに日本語表記で表示されるWebサイトの場合は注意しましょう。
参考:ChatGPT公式サイト
- ChatGPTの公式サイトにアクセス
- 「Sing up」を選択
- メールアドレスとパスワードを入力
- メールアドレス宛にメールが届く
- 名前と生年月日を入力する
- 電話番号を入力
- 届いたコードを入力
- 完了
【参考】基本無料だが有料版もある
ChatGPTは、メールアドレスを登録すれば誰でも無料で利用できます。
ChatGPTには、有料版もあります。2023年5月からは公式iOSアプリも日本国内で利用可能となりました。2023年7月時点でスマートフォン用アプリはiPhoneのみ利用可能ですが、今後はAndroid版の開発も期待されています。まずは無料版を試し、利用目的や用途に応じて有料版を試してみてはいかがでしょうか。
【有料版の料金】
アプリ内課金:月額3,000円
ブラウザ加入:月額20ドル(約2,800円)
【有料版でできること】
有料版では従来のGPT-3.5に加えて、さらに処理・言語能力に長けたGPT-4モデルが採用されています。接続の安定性や応答スピードが、無償版よりも優れています。また、テキストだけでなく、画像の読み取り、抽象度の高い支持の理解、高度な推論も可能です。
無償版のスピードや精度では満足感が得られない場合や仕事などで頻繁にChatGPTを使用する場合は、有料版がおすすめです。
ChatGPT使用上の注意点4つ
万能に見えるChatGPTですが、AI技術の特性として苦手なことがあります。
- 情報の真偽判断
- 最新の専門用語の解説
- 文脈の理解
- 偏見の排除
「あなたが考える生成AIのデメリットを教えてください」という問いに対し、20代~40代の間では「デメリットは特にない」と考えている人が多い結果が出ました。この世代の人たちは、実際に仕事や日常生活で活用しており、有益性を知っているからかもしれません。
しかし、50代・60代においては、AI技術は情報の真偽判断が苦手なことから「誤った情報による混乱」をデメリットだと考えられています。
これは、ChatGPTの苦手分野でもあります。使用する上で注意すべきポイントを以下4つ紹介します。
1.情報の正確性に注意する
ChatGPTはインターネット上で学習したデータに基づき、人間が理解しやすい文章を作るため、情報の正確性よりも単語の出現頻度や相互関係を重視する傾向があります。そのため、ChatGPTによる回答の正確性には人間のチェックが欠かせません。
2.バイアスや偏見を含むことがある
AI技術の開発段階で、現実社会に存在するバイアスや偏見を学習してしまっているおそれがあります。つまり、ChatGPTの回答にはバイアスや偏見が含まれている可能性があることに注意しましょう。
ChatGPTを開発しているOpenAI社は、ChatGPTに学習させる際に、バイアスや偏見を最小限に抑えるための努力をしていると発表していますが、完全になくすことは難しいものです。特に抽象的な事柄、制度・価値観などに関する意見は、特定のペルソナの回答が影響され、客観性が担保できないこともある点に留意しましょう。
3.プライバシーに関わる情報は入力しない
前述のとおり、ChatGPTはインターネット上のデータを参考にするため、個人情報や機密情報を入力すると、入力した情報がAIモデルの学習データに使われ、いずれ情報漏洩を引き起こすリスクがあると言えます。プライバシーにかかわる情報は入力しない方が安全です。
OpenAI社は、APIと呼ばれる外部サービスとの連携など、外部から収集したデータをChatGPTの学習には使わないとしています。
しかし、サイバー攻撃などにより情報が流出する可能性もゼロではないため、流出を防ぐために個人情報の入力は控えましょう。
4.指示の入れ方によって回答精度が変わる
ChatGPTとのチャット欄に入力する文章は「プロンプト」と呼ばれ、ChatGPTはこのプロンプトによって命令や質問を受けて返答します。プロンプトには、いくつかの種類があります。
- 質問型プロンプト:例えば、「フランスの首都は?」や「光合成はどのように行われますか?」など、具体的に尋ねるプロンプトです。
- 助言型プロンプト:例えば、「プログラミングを始めたい場合何をするべきですか?」や「生産性をあげるためのコツを教えてください。」など、アドバイスやヒントを求めるプロンプトです.
- 会話型プロンプト:例えば、「面白い話をしましょう。」や「人工知能の将来性についてどう思いますか?」など、自由な会話を楽しむプロンプトです。
- 説明型プロンプト:例えば、「相対性理論を説明してください」や「ブロックチェーン技術とは何ですか?」など、特定のトピックや概念についての説明を求めるプロンプトです。
基本的にChatGPTでは自由形式で質問や会話を楽しむことができますが、文脈や明確な指示を提供することで、より具体的で適切な回答が得られます。
- 狙い(要約・翻訳・文章作成)
- 文章レベル(小学生でもわかるように・上司に説明するように)
- 立場(専門家の立場から、友人の立場から)
- どのような条件で(文字数、表示形式、言語など)
より詳細な要求を加えることで、それまでのやりとりを踏まえて、一層期待に沿った回答が得られます。
- 具体例を5つ挙げてください
- 口語的に説明してください
- 英語に翻訳してください
- 100文字以内にまとめてください
また、「必要な情報がある場合は私に質問してください」というプロンプトを送ると、ChatGPTのほうから、不足している情報について尋ねられます。そうして、ChatGPTが求める追加情報を伝えることで、結果的にChatGPTは精度の高い回答を返してくれます。
ChatGPTはあくまで機械学習モデルであり、意思や主観を持つ存在ではありません。ChatGPTの回答はあくまで参考にとどめ、ファクトチェック、自身の判断や批判的思考に基づいて活用することが重要です。
よくある質問
Q1.ChatGPT(チャットGPT)とは?
ChatGPT(チャットGPT)とは、OpenAI社が開発した生成AIです。ユーザーとの対話や質問応答に特化しており、自然な会話ができます。ユーザーからのテキスト入力を受け取り、それに基づいて適切な回答や応答を生成します。
詳しくは「ChatGPTとは」の章をご覧ください。
Q2.ChatGPTを使用する上での注意点は?
ChatGPTを使用する上では、主に4つの注意点に気を付けましょう。
1.情報の正確性には注意する
2.バイアスや偏見を含むことがある
3.プライバシーに関わる情報は入力しない
4.指示の入れ方によって回答精度が変わる
詳しくは「ChatGPT使用上の注意点4つ」の章をご覧ください。
まとめ
上手にプロンプトを設計して、ChatGPTを賢く利用しましょう。
今回は、ChatGPTの認知度や利用率について調査しました。
ChatGPTを「使ったことがある」と答えた人の割合は34.8%で、年代別に見ると30代の利用率が最も高い結果でした。
また、生成AIを実際に使ったことがある人の割合は約30%でした。どの世代においても、「活用方法をよく知らない」と答えていますが、「今後ChtaGPTなどのAIを活用していきたいですか」という質問には、「積極的に使っていきたい」「必要であれば使っていきたい」の合計が過半数を超えており、AI自体を否定的に捉えている人は少ないようです。
一方、AI技術が苦手なこととして、文脈の理解や情報の真偽判断があります。そのため、特に50代・60代の多くが誤った情報による混乱を懸念しています。
ChatGPTに使われているAI技術は、今後さらに精度が高くなると期待されています。技術特性でもあるChatGPTの得意分野と苦手分野を理解し、また、上手にプロンプトを設計することで精度の高い回答を得て活用しましょう。
調査概要
- 調査方法:
- infoQでwebアンケート実施
- 調査期間:
- 2023年6月21日(水)~6月30日(金)
- 有効回答:
- 5,000サンプル
- 調査対象:
- 全国20〜65歳の会社員