軽自動車と普通車、買うならどっちがいい?違いやそれぞれのおすすめポイントを紹介

軽自動車と普通車、買うならどっちがいい?違いやそれぞれのおすすめポイントを紹介

車を新しく購入する際に、「外観や性能にこだわりたいけれど、維持費が気になる」「軽自動車と普通車で、燃費や保険料にどのくらい差が出る?」と感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、全国3,000人の車を所有している男女(18〜69歳)を対象に、車を購入した際に重視したポイントや気に入っている点など、所有している車に関する調査を実施しました。おすすめの車種についても紹介していますので、ぜひ車選びの参考にしてみてください。

今乗っているのはどんな車?

所有している車は?

そもそも、軽自動車と普通車どちらを所持している人が多いのでしょうか。現在車を所有している人に対し、軽自動車と普通車のどちらを所有しているか聞いたところ、全体の約6割が普通車を所有している、ということがわかりました。
また、男女によっても違いが見られました。

実際に車を購入した人が、どんな車を買ったのか?

年代問わず、男性よりも女性のほうが、軽自動車の所有率が高いことがわかりました。軽自動車は、普通車よりも小回りが効き、車両感覚が捉えやすいです。そのため運転に自信がない人にとって乗りやすく、女性に好まれる傾向にあるのではないでしょうか。
今回は、infoQが全国3,000人の車を所有する男女(18〜69歳)を対象に実施した調査結果をもとに、実際に車を購入した人が、どんな車を買ったのか?何を基準に選定したのか?について深掘りします。

軽自動車と普通車の違いは?

調査結果を見ていく前に、軽自動車と普通車の違いについて整理しておきましょう。
軽自動車と普通車では、車体の規格、排気量が異なります。他にも、維持費や走行性能など、比較すると異なる点が複数あります。本章では、車選びの際の指針の一つとなるであろう、軽自動車と普通車の違いについて解説します。

維持費の違い

一般的に、軽自動車と普通車では維持費が異なります。維持費と呼ばれる費用には、車を使用させるのに必要な費用、税金、メンテナンス費用、加入が義務付けられている保険などが含まれます。

    軽自動車(1年) 普通車(1年)
自動車保険 自賠責保険(※1)
17,540円
17,650円
  任意保険(※2)
約50,000円
約70,000円
ガソリン代(※3)  
68,908円
68,908円
税金 軽自動車税(※4)

自動車税(※5)
 
10,800円

※平成27年4月1日以後に
最初の新規検査を受けた車両
25,000円~

※総排気量によって変動
 
自動車重量税(※6) 新車登録~12年目まで
0.5トンごとに4,100円
0.5トンごとに4,100円

(※1)国土交通省「自動車総合安全情報
(※2)損害保険料率算出機構「2022年度 自動車保険の概況
  ①年齢②等級③用途・車種④型式別の料率⑤運転者の範囲⑥新車・新車以外⑦補償内容によって異なる
(※3)総務省統計局「家計調査
(※4)総務省・全国地方税務協議会「軽自動車税の税率が変わります!
(※5)東京都主税局「自動車税種別割
(※6)国土交通省「自動車重量税額について

ちなみに、各種条件に当てはまる場合に限り、各種免税・軽減措置が適用となる場合もあります。

【代表的な減免制度】
減免制度 対象 概要
グリーン化特例 自動車税(種別割)・軽自動車税(種別割) 排出ガス性能及び燃費性能に優れた自動車に対して、それらの性能に応じて、自動車税・軽自動車税を軽減
新車新規登録等から一定年数を経過した自動車に対して自動車税・軽自動車税を重課
環境性能割 自動車税・軽自動車税 車両を取得した場合に、車両の取得価額に対して環境性能に応じた税率を課税
エコカー減税 自動車重量税 排出ガス性能及び燃費性能に優れた自動車に対して、それらの性能に応じて、自動車重量税を免税・軽減
ASV特例 自動車重量税・自動車税(環境性能割) 衝突被害軽減ブレーキを搭載したバス・トラック等に対して自動車重量税と自動車税(環境性能割)を軽減

※引用:国土交通省「自動車関係税制について

走行性能の違い

軽自動車の規格は全長3.4m以下、全幅1.48m以下、全高2.0m以下、排気量660㏄以下と決められています。排気量に制限があるぶん、普通車と比べると軽自動車のエンジンの出力性能は低めです。
燃費に関しては、小型で軽量な軽自動車のほうがいいと言われています。しかし、運転条件やメーカー、ハイブリッド車か否かなど、各種条件によって異なるため、一概に「軽自動車の方が燃費がいい」とは言えません。

高速料金の違い

高速料金についても、軽自動車と普通車では差があります。長い距離を走るほど、高速料金の差は大きくなります。

  普通車 軽自動車
東京~名古屋
7,320円
5,890円
東京~大阪
11,810円
9,580円

参考:NEXCO東日本「ドラぷら E-NEXCOドライブプラザ」を使用し計算

乗車定員の違い

自動車の乗車定員は車種ごとに決められており、軽自動車は4人、普通自動車は5~8人であることが一般的です。

車を利用する目的は?

車を利用する目的は?

それでは、実際の調査結果をもとに、自動車保有者の実態を見ていきましょう。
車の利用目的について調査したところ、80.1%の人が「買い物」に利用するため、と回答しました。次いで趣味や娯楽、旅行と回答している人が多く見られました。普段使いを目的に購入する人が多いようです。

軽自動車・普通車かによって、利用目的に差がある

軽自動車・普通車かによって、利用目的に差がある

所持しているのが、軽自動車か普通車かによっても、利用目的に差が見られました。特に差があったのは、「通勤」と「旅行」の2項目です。軽自動車を所持する人は「通勤」を目的とする人が多く、「旅行」を目的とする人は普通車を所持する人のほうが多いようです。
旅行で車に乗る際は高速道路の移動など、長距離移動が伴うことも多いと想定されます。だからこそ、車内が広く、安定性もある普通車が好まれているのではないでしょうか。
車を選ぶ際に最も重視する点に関する自由回答では、以下のような意見もありました。

車を選ぶ際に最も重視する点
  • 運転がしやすく、小回りのきくものがいい
  • 駐車場に収まる大きさかどうか
  • 内装が好みのものがいい
  • 燃費がよく、安全性が高いもの
  • ライフステージに合ったもの
  • 近場の買い物のためにしか車を使わないため、燃費や維持費のいいものを選ぶ

全体的に燃費がよく、安全性のためにも運転しやすいものがいい、と回答している方が多い傾向にありました。

女性は男性に比べ、運転のしやすさ・安全性を重視する傾向あり

【安全性】
安全性

【運転のしやすさ】
運転のしやすさ

性別によって、重視する項目に差が出ました。特に、「安全性」「運転のしやすさ」の2項目については、どの世代も女性のほうが重視している傾向が見られます。
先述した「女性は軽自動車を選ぶ人が多い」という結果の原因としても考えられたように、この結果も運転に苦手意識を感じていることの現れかもしれません。

普通車に乗っている人に聞いた、普通車の実態

続いて、軽自動車と普通車をより詳しく比較してみましょう。まずは普通車に乗っている人に、普通車を選んでよかった点や不満に思っている点を聞いてみました。

普通車の気に入っている点

普通車の気に入っている点

普通車の気に入っている点として、「車内が広い」(36.6%)、「安全性能が優れている」(36.0%)、「長距離や高速道路が運転しやすい」(31.0%)の三つの意見が多く見られました。

利用目的ごとに気に入っている点にも差がある
利用目的に【旅行】を選んだ人が思う普通車のメリット
旅行

利用目的に【子どもの送り迎え】を選んだ人が思う普通車のメリット
子どもの送り迎え

「旅行」を目的とする人は、「長距離や高速道路が運転しやすい」点に満足している割合が高い傾向にあります。街乗りとは違い、遠くに出かけることもある旅行だからこそ、この項目での高い満足度が得られたのではないでしょうか。
一方、「子どもの送り迎え」を目的とする人は、「車内が広い」ことに満足しているようです。チャイルドシートを設置したり、子どもの荷物を運んだり、何かとスペースが欲しくなる世帯だからこそ、広い車内に満足しているのかもしれません。

普通車の不満な点

普通車の不満な点

普通車に抱く不満について、全ての世代の上位3項目に「維持費が高い」「車体価格が高い」「燃費が悪い」ことが挙げられています。金銭面について、不満を抱いている人が多いようです。また、維持費や車体価格については男女ともに不満を抱いている一方、燃費については男性の不満の方がやや高い結果となりました。

軽自動車に乗っている人に聞いた、軽自動車の実態

続いて、軽自動車に乗っている人の実態も調査しました。

軽自動車の気に入っている点

軽自動車の気に入っている点

まずは、軽自動車の気に入っている点について聞いてみました。
「狭い道でも運転しやすい」という意見が44.9%と最も多く、他には「維持費が安い(42.6%)」「丁度いい(40.2%)」「燃費がいい(39.2%)」といった意見が多く見られました。

年齢が上がるほど「狭い道での運転のしやすさ」を評価している
年齢が上がるほど「狭い道での運転のしやすさ」を評価している

「狭い道でも運転しやすい」の項目について、年代性別ごとに見たところ、男性より女性のほうが満足度が高い傾向にあることがわかります。また、男女ともに世代が上がるほど、満足度が高くなっています。
遠出する際は国道や高速道路など、大きな道路を通ることが多いですが、子どもの送り迎えや日々の買い物など、「ちょっとそこまで」乗るとなると、家の周りの細い道を通ることもあるでしょう。女性や、年齢が高い人ほど、少人数で街乗りの機会が多いのかもしれません。

軽自動車の不満な点

軽自動車の不満な点

軽自動車の不満な点について、最も多かったのは「(排気量が少なく)パワーが不足する」(23.8%)という意見でした。次点で「車内が狭い」(16.5%)「乗車定員が少ない」(12.5%)と続く結果になりました。
普通車には価格面のデメリットが目立ちましたが、軽自動車の場合主に性能面に不満を感じている人が多く見られました。

車にかかるランニングコストは?

【軽自動車】
軽自動車にかかるランニングコストは?

【普通車】
普通車にかかるランニングコストは?

車にかかるランニングコストも気になりますよね。そこで、実際に車にかかっている月間のガソリン代はいくらなのか、軽自動車・普通車ごとに調査しました。
軽自動車を所有する人の月間のガソリン代は、「7,000円以上」と答えた人が一番多く、次いで「3,000円以下」「3,000円程度」となりました。普通車と比べると7,000円以上かけている人は3割と、全体的に安価な傾向にあるようです。
普通車を所有する人の月間のガソリン代は「7,000円以上」と答えた人が一番多く、次いで「5,000円程度」「3,000円以下」と続きます。比較的割安に抑えられている方もいる反面、7,000円以上かかる人が全体の約4割と、ばらつきが見られました。

メンテナンス作業の傾向は?

メンテナンス作業の傾向は?

車に乗るには、定期的なメンテナンス作業も欠かせません。実際に自分で行ったことがあるメンテナンス作業について調査したところ、男女ともに多かったのが「洗車をしたことがある」でした。その他はかなり少なく、洗車以外は業者にメンテナンスを任せている人が多いと考えられます。また、メンテナンスの経験については圧倒的に男性の方が多い結果となりました。

年代が上の男性ほど、メンテナンスを自身で済ませる傾向

年代が上の男性ほど、メンテナンスを自身で済ませる傾向

男性の世代ごとに、どのようなメンテナンス経験があるかを比較してみました。全体的に、年代が上がるほど、自分でメンテナンスを行っている傾向にあるようです。特に「タイヤの状態確認」「ウィンドウォッシャーの補充」「ワイパーの交換」などは、顕著に差が見られました。

あなたにおすすめの車種はどっち?

ここまで、軽自動車・普通車を所有する人の実際の声を紹介してきました。「結局どっちを選べばよいのだろう」と迷っている方に向けて、それぞれの車種がおすすめな人の特徴を紹介します。

普通車がおすすめな人

  • 子どもがいるなど、家族で車を乗ろうと考えている人
  • とにかく安全性を重視したい人
  • 車で旅行に行く人
  • たくさん買い物をするなど車で荷物を運搬することを考えている人

また、普通車を選ぶ理由を聞いたところ、以下のような回答が集まりました。主に、安全性を重視している人が多い傾向にあるようです。

普通車を選ぶ理由
  • 広々としていて乗り心地がいいから。
  • 車体が頑丈であるため安全性が確かだから。
  • 大人数を運べるパワーが欲しいから。
  • 子どもがいるため、大人数で乗れるものがいいから。
  • 荷物をたくさん積むことができて、買い物や旅行に行くのに便利だから。
  • 雪道を走ることができるから。

「子どもの送り迎え」を目的とする人の多くが「車内が広い」ことに満足しているといった調査結果もありました。また、「旅行」などで遠方かつ長距離の移動もしたいと考えている人にも、安定感のある普通車がおすすめです。

軽自動車がおすすめな人

  • 燃費のよさなど、維持費を安く抑えたい人
  • 大人数で車に乗る予定がない人
  • あまり遠出せず、近場でしか乗らない人
  • 街乗りなど狭い道で運転することが多い人

また、軽自動車を選ぶ理由を聞いたところ、以下のような回答が集まりました。

軽自動車を選ぶ理由
  • 燃費がいいから。
  • 維持費が安いから。
  • 小回りがきき、運転しやすいから。
  • 使用用途が少なく遠距離を走ることがないため、維持費が安いほうがいいから。
  • 車庫に入る大きさで、駐車しやすいから。
  • 必要十分な性能を持っているから。

実際に軽自動車に乗っている人の声で多かったのが「狭い道での運転のしやすさ」「維持費の安さ」でした。そのため、価格を安く抑えたい人は、軽自動車を選ぶとよいでしょう。「排気量が少なくパワーが不足する」という声もありましたが、近場の移動が中心ならば、特に気になることも少ないと考えられます。

【参考】今乗っている車種を継続して選びたい人が8割以上

【参考】今乗っている車種を継続して選びたい人が8割以上

現在普通車に乗っている人は次も普通車を選び、軽自動車に乗っている人は次も軽自動車を選ぶと回答する人が8割を超えました。現在乗っている車種に満足しており、車種を代えて乗り換える人は少ないのかもしれません。

【番外】中古と新車問題

ここまで、軽自動車と普通車それぞれの実態について調査結果をもとに紹介してきました。
今回、「中古車を購入するか、新車を購入するか」についても調査を実施したため、最後にこちらの結果も見てみましょう。

7割近くが新車を購入している

7割近くが新車を購入している

車を購入する際に新車と中古車のどちらを選んだかも調査したところ、約7割の人が新車を購入していることもわかりました。
細かく見てみると、誰と同居しているかによって、新車・中古のどちらを選ぶかに差が見られました。

あなたが現在同居している人に当てはまるものをすべてお選びください。

同居している人が「祖父母」「1〜12歳の子ども」「(同居している人は)いない」世帯は、中古車を購入する人の割合のほうが高い傾向にありました。祖父母の介護や小さい子どもにかかる教育費など、出費がかさみがちな世帯だからこそ、この傾向が見られたのではないでしょうか。
また、「同居している人がいない」と答えた人を独身者と仮定すると、独身の人ほど、車にかけるお金をできるだけ減らしたいと考えているのかもしれません。

車を購入する際に重視した点は?

車を購入する際に重視した点は?

車を購入するにあたって重視した点についても調査しました。
65.4%の人が価格を、また55.8%の人が燃費を重視しており、車の性能や値段などの条件に着目して車を選んでいる人が多い傾向にありました。ブランドの信頼性を重視している人は19.7%と少なく、ブランドよりも車本体の性能を重視して車を選んでいる人が多いと言えます。
また、車を購入する際に重視した点について、「新車を買った/中古車を買った」「性別」によっても差がありました。

中古車を買った人は価格重視、新車を買った人は性能重視
中古車を買った人は価格重視、新車を買った人は性能重視

購入時に重視したポイントのうち、「価格」「維持費」などは、中古車を買った人のほうが多い傾向が見られました。一方で、「燃費」「運転のしやすさ」など、車の性能に関する項目は新車を買った人のほうが重視する傾向にありました。
中古車を買う人の多くは、車の購入や維持費など、金銭面を特に重視していることがわかります。

まとめ|自分のライフスタイルに合った車を選ぼう

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今回は、軽自動車と普通車どちらを選ぶべきか悩む方に向けて、実際に車を所有する人が購入時に重視したポイントや気に入ってる点について行った調査を紹介しました。
車を購入する際に重視した点については、「価格」と回答した人は65.4%、次いで「燃費」が55.8%と、車の性能や値段などを重視して選んでいる傾向が見られました。
普通車に乗っている人が気に入っている点は、順に「車内が広い」(36.6%)、「安全性能が優れている」(36.0%)、「長距離や高速道路が運転しやすい」(31.0%)ことが挙がりました。
一方、軽自動車に乗っている人が気に入っている点で多かったのは、「狭い道でも運転しやすい」(44.9%)、「維持費が安い」(42.6%)、「丁度いい」(40.2%)「燃費がいい」(39.2%)と、普通車とは全く異なる結果となりました。
ライフスタイルや価値観によって、どちらがおすすめかは異なります。今回紹介した実際の声を参考に、ご自身の考えに近い方を選ぶとよいでしょう。車は大きな額の買い物になります。後悔のない選択をしてください。

調査概要

調査方法:
infoQでwebアンケート実施
調査期間:
2023年11月28日(火)~2023年11月29日(水)
有効回答:
3,000サンプル
調査対象:
全国18〜69歳の車を所有している男女

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