徹底調査ー 様子見から判断の時期へ ーコロナワクチン
47都道府県別接種状況

47都道府県別×年代別人口構成比に基づいた10,000人大規模調査

日本では、2021年2月より新型コロナワクチンの接種が始まり、半年以上が経過しました。全国で接種の予約券が配布され、各都道府県のいたるところに臨時の新型コロナワクチン接種会場が設営されています。ご自身やご家族、身近な人たちもワクチン接種済みという方が増えてきているのではないでしょうか。
医療従事者へのワクチン接種が始まった直後の2021年3月に、infoQでは新型コロナワクチンについての自主調査を実施しました。

2021年3月時点の調査結果では、医療従事者でもたった4.2%しか1回目のワクチンを接種しておらず、身近に生の声を伝える人もいないためメディアを通しての情報収集しか術がありませんでした。そのため、副反応を気にする声が非常に多く、不安を感じていた方も多かったと思います。
半年経過した今、生の声を届けるべく、『47都道府県別×年代別の人口構成比に基づいた割合』でアンケートを配信し、全国の男女10,000人を対象に大規模調査を実施しました。

調査結果

Q1新型コロナウイルスワクチン接種状況

ワクチン接種希望者
84.8%に対して

2回接種完了41.6%

「新型コロナウイルスワクチン接種状況」調査結果

ワクチン接種済みもしくは接種希望が全体の84.8%に対して、2回接種が完了している人は全体の41.6%という結果となりました。
希望者の24.5%は1回目の接種完了もしくは予約完了の状態で、新型コロナワクチンの接種が確実に進んでいることが分かります。

一方で、18.7%の人が接種希望にも関わらず順番待ちとなっており、接種のスピードアップが課題であることもうかがえます。
それでは、各地域毎の進捗を見てみましょう。

Pick Up地域別のワクチン接種状況

ワクチン接種の状況は
地域で10%近い差がある

「地域別のワクチン接種状況」調査結果

最もワクチン接種が進んでいるのは九州地方で、2回目のワクチン接種が完了している人が45.1%となっており、北海道と比べるとほぼ10%近い差が出ています。

ワクチンの接種率に地域ごとで差が生まれる原因としては、接種券(クーポン券)の配布方法の違いが考えられるのはないでしょうか。配布時期と配る対象の範囲(年齢)については各自治体によって異なります。
そこで接種券(クーポン券)が届いているか調査したところ8月時点で九州は94.1%、北海道では87.8%が「届いている」と回答しており、ここでも地域によって最大6.3%の差が出ていました。

Pick Up年代別のワクチン接種状況

ワクチン接種が一番進んでいないのは、
10~30代の若年層

「年代別のワクチン接種状況」調査結果

医療従事者等、高齢者、基礎疾患を有する者、高齢者施設等の従事者、上記以外と国が定めた接種順位でワクチン接種が開始しているため、70代以降は90%以上が2回目の接種まで完了していることがわかりました。

続いて、60代、50代と徐々に接種率は下がり、10代は14%と最も低く10~30代の若年層は20%未満の接種率となっています。
また、ワクチンを接種する意志がない人の割合は若年層を中心に大きくなる傾向があり、ワクチンへの意識が年代によって異なることがわかります。
しかし、接種希望にもかかわらず予約が取れない人も若年層を中心に3割を占めており、特に若年層への接種においてスピードアップの課題が明らかです。

Q2ワクチン接種の意識調査

判断材料がそろい、
ワクチン接種の判断をする時期へ

「ワクチン接種の意識調査」調査結果

現状、1回も接種していない人を対象にワクチンへの意識調査を行い、2021年3月の調査結果と比較してみました。 すると、様子を見てから接種したいと回答した人が3月時点の結果と比較すると、49.9%から11.2%と4分の1以下に減少しています。

安全性や接種後の副反応の割合など、ワクチン接種に慎重な姿勢を見せていた生活者の判断に必要な情報が徐々に揃ってきており、ワクチンを接種するかしないかの判断をする時期に移っていることが考えられます。

Q3ワクチン接種の判断基準について

接種する(したい)

  • 少し怖いけど、抗体ができるなら打ったほうがいいと思う 九州/10代女性
  • 早く接種を完了したいのですが若い世代は後回しにされていて大変困っています。若い世代こそ仕事や学校でどうしても外に出なくてはいけないので早く若い世代にもコロナワクチンが回ってくるといいなと思います。 関東/20代女性
  • ワクチン接種に対していろいろな意見もあると思うけれど、コロナに感染して後遺症に悩まされることを考えれば、一時的な副反応は我慢して接種したほうがいいと思います。 近畿/60代男性

見送り

  • できれば国産のワクチンを開発してもらい、接種したい 中部/20代男性
  • アレルギーなど体の問題で接種できない。 北海道/30代女性
  • 副反応などの情報を調べても検証中であったり研究が途中であったりしてまだはっきりとしないという情報が多い。まだわかっていない事が多すぎて、接種は自己判断と言われても不安な気持ちの方が大きい。 中国/30代女性

Q4新型コロナウイルスワクチンの接種時期

ワクチンの接種は
2021年6月から本格化

「新型コロナウイルスワクチンの接種時期」調査結果

1回目のワクチン接種は6月より、2回目の接種は後を追うように7月から本格化していることが分かります。

ワクチンの予約開始当初は予約競争が取り沙汰されていましたが、現在は政府が運営するサイトの「コロナワクチンナビ」で近くの接種会場が確認できたり、ワクチンの供給も安定してきており今後徐々に予約の取れない状況も緩和されてくると思われます。

このように一般の生活者へワクチンの接種が進むにつれ、身近に様々な副反応の話を聞くことが増えたのではないでしょうか。一般的には1回目より2回目の副反応が強いと言われていますが、どういった違いが出ているのか見てみましょう。

Q51回目と2回目の副反応の違い

1番の違いは倦怠感、
接種後の副反応に備えて準備を

「1回目と2回目の副反応の違い」調査結果

1回目、2回目ともに現れることの多い副反応としては、「注射した部分の痛み」や「腫れ」、「筋肉痛」などが挙げられます。また、1回目と2回目の副反応をグラフで比較すると、風邪やインフルエンザに似た症状が多く出ていることがわかります。

1回目の接種でそこまで重い副反応が見られない場合でも、2回目の接種で勤務や通学に影響が出るほどの倦怠感、熱が出たというケースも珍しくありません。 このような新型コロナワクチンの副反応をふまえて、企業によってはワクチン接種後に特別休暇を申請できる「ワクチン休暇」を導入している企業もあります。
ワクチン接種の際はできるだけ接種当日・翌日に無理をしないですむように予定を立てておくことが政府からも推奨されています。

次に、ワクチン接種の会場の違いについて地域別に見てみましょう。

Q6新型コロナワクチンの接種場所

地域によって、
接種会場が大きく異なる結果に

「新型コロナワクチンの接種場所」調査結果

ワクチンを接種した会場を調べたところ、地域差が大きくあることが分かりました。 どこの地域でも都道府県または市区町村の定めた会場が4割ほど占めておりますが、四国はほかの地域と比べて、近くの医療機関での接種が多く行われているようです。

また、関東や近畿では、自衛隊大規模接種センターが設置されるなど、接種会場の分散が行われていることがわかります。
また、職域接種も各地域15~20%ほどを占めており、積極的な企業の協力もワクチン接種を円滑に進める要因となっているようです。

Q7接種したワクチンの種類を教えてください。

接種会場の違いが
ワクチンの種類にも反映される結果に

「接種したワクチンの種類を教えてください。」調査結果

現在日本国内では、ファイザー社のワクチンがメインで使用されています。 ファイザー社のワクチンに比べると比較的温度管理が簡単なモデルナ社のワクチンは、職域接種や自衛隊の大規模接種センターで多く利用されています。

その影響か、職域接種と自隊の大規模接種センターで接種が進んでいる関東、近畿地方はモデルナが多く使われていました。
反対に、Q6で地域中最も「近くの医療機関」でワクチンを接種した割合の高い四国は、ファイザーを接種した人が多い結果となりました。

Q8コロナ疲れを感じますか?

制限の多い地域でコロナ疲れが高まる

「コロナ疲れを感じますか?」調査結果

新型コロナワクチンの接種が進む一方、3月に比べてコロナ疲れを「とても感じる」と回答した人の割合が7%増加していました。
地域や年代に細かく分けて違いを見てみると、最もコロナ疲れを感じている地域は関東で33.2%もの人が強いコロナ疲れを感じていました。

また年代別に見てみると、10代が最も高く若年層ほど強いコロナ疲れを感じており、年齢が上がるにつれコロナ疲れを感じる人が少ない結果となりました。

緊急事態宣言やまん延防止等重点措置により、行動の制限が多い地域や、積極的なコミュニケーションと外出を楽しみにしている若年層に大きな負担がかかっているようです。
今後新型コロナワクチンの接種がさらに進み、少しでも今より安心できる生活に近づくことが期待されています。

調査概要

調査方法:
infoQでwebアンケート実施
調査期間:
2021年8月20日(金)~2021年8月30日(月)
有効回答:
10,000サンプル
調査対象:
全国15~99歳男女

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