コロナ禍の化粧品
スキンケア
変化したニーズを調査!
消費者が今求めるものとは

新型コロナウイルス(COVID-19)の流行によって、私たちの生活には様々な変化が起こりました。女性が日常的に行っていたスキンケアやメイクもその一つです。外出自粛やマスクの着用頻度が増えたことにより、消費者の美容意識にも大きな変化が起きています。
今、消費者が本当に求めているものとは一体何なのか、コロナ禍のスキンケアやメイクについて、全国15~59歳の女性2,000名に徹底調査しました。

調査結果

Q1

新型コロナウイルスの影響でスキンケアやメイクに変化はありましたか。

美容について変化を感じると
回答した人は56.8%

美容について変化を感じると回答した人は56.8%

まず初めにメイクの頻度について質問したところ、8割の女性が週1回以上メイクをすると回答しました。 多くの女性にとって、メイクは日常と言っても過言ではないでしょう。そして、56.8%の方が新型コロナウイルスにより、スキンケアやメイクなどの美容についてなんらかの変化を感じているようです。

では、具体的にどのような変化を感じているのか、まずはスキンケアにかける時間と金額から見てみましょう。

Q2

スキンケアにかける時間と金額の変化

スキンケアは基礎化粧品に
「金額」よりも「時間」をかける傾向

スキンケアは基礎化粧品に「金額」よりも「時間」をかける傾向

新型コロナウイルス流行前に比べ、スキンケアにかける時間は42.1%の人が減ったと回答しました。
外出自粛により、必要がなくなったという人が多いようです。
一方、スキンケアの時間が増えた人も36.9%と多く、年代別に見ると、10代が最も多く、続いて20代・30代という結果になりました。理由を聞いてみたところ、リモートの授業や外出自粛で家にいる時間が増えたことでスキンケアの時間を確保できるようになったことが理由に挙げられました。

金額については、増えた方・減った方・変わらない方がほぼ3割ずつと3極化傾向にあることがわかりました。外出自粛による化粧の頻度によって基礎化粧品の使用量が減った人、時間が確保できスキンケアに目覚めた人、通常通りのケアを行っている人と大きく方向が分かれているようです。

スキンケアに時間をかけない理由

20代・主婦
外出する機会が減り、朝のスキンケアの時間がいらなくなった

30代・会社員
元々あまり時間をかけずに行っており、使っているスキンケア製品も変えていないから

50代・会社員
外出する機会が減ったので、スキンケアもいい加減になってしまうことがあるので

スキンケアに時間をかける理由

10代・学生
家にいる時間が増え、体が疲れている場合が減ったので、お風呂上がりのスキンケアをめんどくさがらずにしっかりやるようになった

20代・パートアルバイト
忙しさが減り、家での時間が多くなり、自分の肌をはじめ身体に気をかけながら生活できたから

30代・会社員
化粧をしない日が増えて綺麗な素肌になりたいと思ったから

Q3

メイクの頻度について

約6割の女性がメイクの頻度が
減ったと回答

約6割の女性がメイクの頻度が減ったと回答

59.4%の女性が「メイクの頻度が減った」と回答しました。
メイクの頻度が減ったと回答した人のうち、主婦が25%と一番多く、次にパート・アルバイト、社会人と続きます。また、年代別で見ると最もメイクの頻度が減ったと感じているのは50代のようです。

一方で、メイクの頻度が増えた人は7.6%とほとんどおらず、職業・年齢に関わらず減少傾向にあることがわかりました。

それでは、スキンケア同様にメイクにかける時間と金額についても詳しく見ていきましょう。

Q4

メイクにかける時間と金額の変化

スキンケアと比べてメイクにかける
時間も金額も『減少傾向』

スキンケアと比べてメイクにかける時間も金額も『減少傾向』

メイクにかける時間、金額は顕著に減少したという回答が多く、どちらも半数以上を占める結果となりました。
スキンケアと比べても、メイクにかける時間も金額も大きく減少しているようです。
なぜこれほどまでにスキンケアと差が出たのでしょうか。

理由を聞いてみると、マスクで隠れるという意見が多く、中でもチークやリップをしなくなったという意見が非常に目立ちました。また、人と会う機会が減ったため化粧をする頻度が下がっている、人に見せる化粧をしなくなったという人も多いようです。

では、続いてマスクの着用頻度とメイクの関係性について聞いてみました。

メイクにかける時間と
金額が減った理由

30代・会社員
マスクにより目元のメイクだけしっかりするようになったので

20代・主婦
マスクで見えない分、リップメイクをしなくなった

50代・自営業
マスクから出る部分を意識して、違和感のないように仕上げるため、使用量自体が減った

Q5

マスクの着用頻度

メイクの意識を激変させる要因の一つはマスクの常用

メイクの意識を激変させる要因の一つはマスクの常用

マスクの着用頻度について質問したところ、ほぼ毎日と回答した人は70%近い数字となりました。 コロナ禍で急速に私たちの暮らしに定着していったマスクですが、顔の大半が隠れてしまうマスクの存在はメイクをする女性にとって大きな課題となりました。

メイクにかける時間が減少していることから、今回はメイクの「濃さ」にスポットを当てて質問してみました。

Q6

マスク着用時の化粧について

マスク着用時と同じ化粧を
している人は全体のわずか11%

マスク着用時と同じ化粧をしている人は全体のわずか11%

週に1回以上化粧をしていると回答した人に、通常のメイクとマスク着用時のメイクの濃さに変化があるか聞いてみました。すると、いつものフルメイクをしているのはわずか11.1%で、90%近くの人がマスクを着用する際いつもとは違うメイクをしていると回答しました。

中でも最も多いのは部分メイクで、全体の48.4%を占めます。
先ほどのメイクにかける時間が減少しているという調査結果から見ても、多くの女性がフルメイクから部分メイクに切り替えたと考えられます。
では、なぜ多くの女性がマスクの着用時に部分メイクをしているのか、部分メイクをしている方に理由を聞いてみると「マスクで隠れる」が最も多く、次にフルメイクが必要な外出が減った、マスクで肌荒れするなどの理由が挙げられました。

上記のような理由から増加傾向の部分メイクですが、どこをポイントにして化粧をするのかは人によって異なるようです。実際どのようなメイクをしているのでしょうか、アイメイク、ベースメイク、リップメイクの3つに分けて見てみましょう。

Q7

部分別の化粧の濃さ

リップメイクは『薄く』、アイメイクは『濃く』なる傾向

リップメイクは『薄く』、アイメイクは『濃く』なる傾向

アイメイク、ベースメイク、リップメイクの3つを比べてみると、部分によって濃さを調節していることが分かりました。
アイメイクは他の部分に比べ濃いメイクを意識している人が多く、反対にベースメイクやリップメイクは薄くなっている傾向があります。
それぞれの理由としては、マスクで隠れないアイメイクは華やかなもの、ベースメイクやリップメイクはマスクに付かないような薄い物を選んでいるという意見がありました。

そこで、メイクの部分ごとのこだわりや、気を付けていることをもう少し細かく聞いてみました。

アイメイク
  • 10代・学生
    目が大きく見えるように涙袋の影を描き、涙袋に明るいアイシャドウを入れる
  • 30代・主婦
    マスクをしていてもメイクが映えるように明るめの色のアイカラーを選ぶようになったり、今まで使った事がなかった色味のものを試してみるようになった
  • 50代・パート・アルバイト
    眉毛をよりハッキリ描くようになりました
ベースメイク
  • 30代・会社員
    あまり厚くすると、マスクで蒸れたとき凄く汚くなるのでかなり薄くしている。 化粧したあと、ヨレないようキープ出来るスプレーをするようになった
  • 40代・主婦
    目元しか出ないので、目の下の隈で疲れているように見られたくないため、コンシーラーは念入りになった
  • 50代・パート・アルバイト
    ファンデーションはナチュラルに見えるように、でも一番時間をかけてつやつやに仕上げている
リップメイク
  • 20代・学生
    グロスはなるべく避け、マスクをつける前に一度ティッシュで余分な油分を拭き取る。 ティントタイプのリップを使用する
  • 30代・主婦
    マットやセミマットのマスクにつきにくいタイプのリップを使うことが多くなった。 普通のリップを使う時もリップコートを使用するようになった
  • 40代・契約・派遣社員
    口紅を使用する機会はとても減ったが、色付きリップや荒れにくいティントリップなど唇に負担が少なく唇自体をキレイに見せてくれるものを使用している

注目ポイント

薄くする人が増えているベースメイクとリップメイクですが、ご紹介した工夫以外に保湿や肌の負担にならない化粧品選びなどに気を使っているという声も多く上がりました。

また、人に顔を見せることが少なくなった代わりに、自分自身のために化粧を楽しんでいるという意見がありました。中には「リップメイクは隠れてしまうけど、その分自分の好きな色にできて楽しい」というコメントもあり、コロナ禍でも前向きな楽しみ方もあるようです。

Q8

コロナ禍に見直した化粧品

化粧水やファンデーションの見直し、スキンケアに注目が集まる

化粧水やファンデーションの見直し、スキンケアに注目が集まる

コロナ禍に見直しを行った化粧品を選んでもらったところ、最も多く見直されていたのは化粧水で14.7%という結果になりました。

TOP3の化粧水、ファンデーション、アイシャドウについては全年代が高い割合で、見直しを行ったと回答しており、スキンケアとメイクにかける金額が減っていることから、単に高級なものへ変えるというよりは、肌荒れ防止の化粧水やマスクに付きにくいファンデーションなど、目的に合ったものに選び直しを行ったと考えられます。

また、40代、50代の女性は美容液やクリームの見直しをほかの年代より多く行っており、より保湿や入念なスキンケアへの関心が高いことが分かりました。

結果2,000人に調査して分かった美容意識の変化

調査対象2,000人のうち、半数以上がスキンケアやメイクに何かしらの変化を感じていました。

マスクの着用により顔が見えない等の理由から、メイクにかける時間や金額は減少しているものの、スキンケアにかける時間に関しては、メイクほどの減少傾向はなく外出自粛で空いた時間をスキンケアにあてているという声が多くありました。

また、日常的にメイクをしている女性の中ではマスクの着用を理由に部分メイク、薄めのフルメイクが主流になりつつあります。アイメイクは華やかさを演出するために濃くなり、反対にベースメイクやリップメイクはマスクに付かないよう薄くなっている傾向が見えました。

コロナ禍で大きくニーズが変化したといえるものは、次の3つということがわかりました。

1つ目は、スキンケアを意識している人が見直しを始めた『化粧水』、2つ目はマスクに付きにくい『ファンデーション』、最後に3つ目はマスクをしていても視線を集めやすい『アイシャドウ』という結果になりました。スキンケア、メイク共にかけている金額が大幅に増加していないことから、高級志向というよりは上記のように明確な目的意識に沿って化粧品を見直す傾向にあるようです。

調査概要

調査方法:
infoQでwebアンケート実施
調査期間:
2021年2月5日(金)
有効回答:
2,000サンプル
調査対象:
全国15~59歳女性

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