徹底調査ふるさと納税の今を調査! 人気の返礼品・寄附の最高金額などを
わかりやすく解説−infoQ

ふるさと納税徹底調査2008年に「ふるさと納税」制度が始まり13年が経ちました。皆さんはもうふるさと納税を利用しましたか? どんな返礼品を受け取りましたか?

地方の活性化・財源の移譲を目的に始まったふるさと納税。そもそも、ふるさと納税とは「好きな自治体に寄附という形で申請をし、後で所得税や住民税から控除されることでお金が返って来る仕組みで、その差額2,000円を負担する代わりに、自治体が用意した返礼品を受け取れる」というのが主な内容です。

「豪華な返礼品で得をした!」という話を聞く一方、「よくわからないし、面倒くさそうでしていない」という声も聞かれます。 そこで、infoQでは10代~70代の約2,000人に対し、ふるさと納税に関するアンケートを実施しました。

この記事では、ふるさと納税の今がどうなっているのか、アンケートから見えてくる実態を紹介していきます。ふるさと納税に詳しくない方も、ここで興味を持った方も、ぜひ参考にしてみてください。

調査結果

Q1ふるさと納税の現状

8割が利用していない、
ふるさと納税制度

「ふるさと納税の現状」調査結果

ふるさと納税の今の利用状況から見ていきたいと思います。

まだ1度も利用したことがなく、利用する予定もないと答えた方が全体の7割以上になっており、これまでに利用していなかった方を含めると8割に達しています。これは、まだまだ利用している人が少ないという印象です。

年代別でみた場合でも、年代による違いはほとんど見られませんでした。ふるさと納税は、個人の意識や環境による影響が大きいと言えるでしょう。

Q2ふるさと納税をしない理由

ふるさと納税は面倒くさい?
魅力を感じられない人も多い

「ふるさと納税をしない理由」調査結果

Pick Upふるさと納税を
しない理由は?

  • 面倒なのと、最初はお金が
    かかるイメージがある
  • 高額納税者はイイけどね
  • もう少し、返礼品の種類を
    増やしてほしい
  • 学生でも分かりやすい
    説明が欲しいです
  • 返礼品目的を誘導する
    納税はやめてほしい
  • 自分が住民サービスをうけている自治体に納税するべきだと
    考える自分がいるから

ふるさと納税をしない一番の理由を聞いた結果、22.6%の方が「興味がないから」、22.5%の方が「面倒くさいから」と答えており、制度に魅力を感じられていない方が多い現状が見えます。

実際、ふるさと納税には利用しにくい点があり、その1つに確定申告やワンストップ特例制度の申請が必要になってくる、ということがあります。
また、不満の声に「最初はお金がかかるイメージがある」と回答があったように、寄附として支払ってから控除が適用されるまでにはかなりのタイムラグがあることも、利用しづらくしている要因と言えるでしょう。

他にも、「どこから申し込んでいいかわからない」「難しそう」という声や、「控除される納税額がないため、したくてもできない」という声も多く出ていました。

Q3ふるさと納税をする理由

ふるさと納税の目的は「返礼品」が最多
次に「節税」

「ふるさと納税をしない理由」調査結果

次に、ふるさと納税をする人の一番の理由を聞きました。ここでは年代別にみていきます。 ※10代のデータはサンプル数が少ないため、参考値となります。

20代・30代は「節税対策」の割合が高くなっていますが、その他の世代では「返礼品目的」の割合が最も高くなっていました。 多くの方にとって返礼品や節税が一番の目的となっていることはよく問題視されます。
しかし、返礼品には地域を代表するような品物がありますので、地元であっても他の自治体であってもその地域をよりよく知るきっかけになるという側面もあります。

一方、10代や60代以上の年代では「出身地へ納税するため」といった理由の割合が比較的高くなっています。地元や特定の地域への愛着のためとも読めるかもしれません。

このように、ふるさと納税は様々な思いをもって利用されている制度になっているのです。

Q4ふるさと納税を始めた年

2015年から急増!
どうして広がり始めた?

「ふるさと納税を始めた年」調査結果

ふるさと納税を行っている人はいつ頃から利用しているのか見てみましょう。

2015年からの増加傾向が著しく、このころからふるさと納税を始めた方が多いようです。 2015年には、制度改正でワンストップ特例制度の創設、控除される限度額の拡大という大きな変化がありました。これを受けてか、その後大きく利用者が増加しています。

また2017年4月には、過熱していた返礼品競争を抑えるため、総務省より返礼品の金額を寄附額の3割以下に抑えるように、との通達が出されました。しかし、そこから寄附が減っていくこともなく、このグラフをみる限り利用者数に影響はないようです。

Q5返礼品の種類

返礼品の8割以上が食料品と、
圧倒的人気!

「返礼品の種類」調査結果

Pick Upその自治体を選ぶ訳や、ちょっと変わった返礼品を紹介!

  • 千葉マリンスタジアムの旧人工芝
    千葉ロッテマリーンズを応援しているから
  • 20,000円 泡盛古酒
    泡盛ファンだから
  • トイレットペーパー二年分
    必要なものだったから
  • 11ぴきのねこのぬいぐるみ
    青森県
  • 災害復興なので返礼品は無し
    秋田県

返礼品の種類を見ていきます。このグラフからほとんどの返礼品は食料品となっていることが分かります。 返礼品は地元の名産品などが用意されていることが多く、地元の米や肉、果物といった回答が多く見られました。

伝統工芸品も1.8%とわずかですが利用されており、ふるさと納税により地元の工芸品が残っていくということもあるかもしれませんね。

ちょっと変わった返礼品では、野球の千葉ロッテから人工芝の返礼品なんてものもあるようです。これは地元のファンにとってはうれしいですよね。
その他では、トイレットペーパー2年分というのもありました。どうやって届くのでしょうか?

Q6返礼品の最高金額

8割の人が最高でも2万円以下!
高額寄附でなくとももらえる返礼品

「返礼品の最高金額」調査結果

これまでに受け取った返礼品の最高金額はどのくらいなのでしょうか。

グラフをみると8割弱の方が2万円以下と回答しています。
そこまで高額な寄附をしている方は多くないようで、手の届く範囲で利用している方が多いという印象を皆さんも持ったのではないでしょうか。
しかし詳しく見てみると中には、10万円を超える寄附をしている方も2.2%と少数ですがいるようで、何をもらったのか気になるところです。

Q7「返礼品の最高金額」と
「1年間に寄附する自治体の数」

「返礼品の最高金額」「1年間に寄附する
自治体の数」に相関関係は?

「返礼品の最高金額」と「1年間に寄附する自治体の数」調査結果

次に、「1年間にどのくらいの数の自治体に寄附するのか」を、先ほどの「返礼品の最高金額」と関連付けて見ていきます。

このグラフから「返礼品の最高金額」と「1年間に寄附する自治体の数」には強い相関関係が見られます。返礼品の最高金額が高い方は、その数をみても多くの自治体に寄附しているようです。 とはいえ、全体の割合で見ればワンストップ特例制度を使える5つの自治体までに留める方が多いようです。

一方で、1つの自治体だけと回答した方は、2つ以上と回答した方と比べ、これまでの最高額でも1万円以下という割合が非常に高くなっています。ここには「試しにやってみた」という方が多く含まれているのでないでしょうか。

Q8ワンストップ特例制度の利用者

現役世代では約半数
ワンストップ特例制度を利用

「ワンストップ特例制度の利用者」調査結果

最後に、ワンストップ特例制度の利用状況を見ていきます。これはふるさと納税をしている人の中でのデータになります。
まずワンストップ特例制度とは、給与所得者が確定申告なしでふるさと納税ができる仕組みです。ただし、1年間に寄附できる自治体は5つまで、などの条件があります。

20代~50代の現役世代で広く利用され、その利用率は各年代とも5割ほどとなっています。 給与所得者の中で、いくつかの条件を満たしている人が対象の制度と考えると、利用できる人の多くはすでに利用していると考えることができそうです。

ふるさと納税は様々な目的を持った制度です。ふるさと納税に関心を持ったことを機に、地元の自治体や好きな自治体をチェックしてみると新たな発見があるかもしれません。

調査概要

調査方法:
infoQでwebアンケート実施
調査期間:
2021年9月16日(木)~2021年9月19日(日)
有効回答:
2,000サンプル
調査対象:
全国15~99歳男女

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