管理職2,000人に聞いた!ビジネスに役立つ
情報収集術

めまぐるしく世の中が変動する中、管理職と呼ばれる人たちに求められる能力も時代によって変化しています。
最近では部下の管理というより、組織の成果に責任を持つ「マネジメント」を管理職に求める企業も少なくありません。

そんな中でも普遍的に求められる管理職の能力の一つとして、日々の情報収集能力が挙げられるのではないでしょうか。
敏感に世の中の動きをキャッチする必要がある管理職は、普段どのようにしてビジネスに必要な情報を収集しているのでしょうか。

今回は全国の管理職2,000人を対象にどのように日々の情報収集をおこなっているか調査してみました。
さらに、管理職が思う「部下に求める能力」や、「若いころから勉強しておいた方が良いこと」など、これから社会経験を積んでいく人への調査結果も合わせてお届けします。

調査結果

Q1ビジネスに役立つ情報収集をしていますか

8割意識的に情報収集をしている

「ビジネスに役立つ情報収集をしていますか」調査結果

約8割の人が意識的にビジネスに役立つ情報収集を行っていると回答しました。
やはり、ビジネススキルを身に着けるだけでなく、あらゆるビジネスシーンで役立つ情報を持っていることは武器になるのではないでしょうか。

しかしビジネスについての情報を収集していると回答した人の内、半数以上は「必要に応じて」情報収集していると回答しています。
習慣的に無作為に情報収集をするというよりは、必要な情報をある程度定めて、必要な時に必要な情報を調べるというスタイルの人が多いのではないでしょうか。

では、必要に応じてとは具体的にどういった情報を指すのでしょうか。

Q2収集する情報の内容

業務に直接関係する情報がメイン

「収集する情報の内容」調査結果

情報収集を行う時は、まず自身にかかわりの深い情報から調べるという回答が一番多い結果となりました。
情報過多の現代では、意識せずともあらゆる情報が飛び交っているため、情報収集時には情報を取捨選択する必要があります。管理職のうち58%の人は、仕事に直接関わる情報収集を積極的に行っていることがわかりました。

一方で、日本全体のトレンドや業界全体のトレンドの情報収集を行っている人も3人に1人の割合と高い結果となっています。 業界・日本・世界のトレンドを把握しておくことは自身の視野を広げ、新しいビジネスチャンスの発見や、あらゆる分野の人とも話題に困らないコミュニケーション力が身につくと考えられます。

次に情報収集の手段について質問してみました。

Q3情報収集の手段

ネットの検索機能
活用するという声

「情報収集の手段」調査結果

ビジネスに役立つ情報収集は、インターネット検索が68.3%と圧倒的に活用されていることが分かりました。情報収集にインターネット検索を利用していると回答した人に、どのようなサイトを利用しているか聞いてみたところ、特定のサイトではなく「その都度検索で調べものをしている」という意見が多くみられました。

スマホの普及により、いつでもどこでも気になることを検索できるため、このようなスタイルが浸透したのかもしれません。その結果、Q1での回答で「必要に応じて」情報収集をするという人が多くなっているのも理解できます。
また、自身の業務に関係のある情報を得るためにインターネット検索をしているとすると、逆にトレンドやそのトレンドの影響力を知るためには、別の方法が適している可能性もあります。

今回は新聞や雑誌など、有料の情報コンテンツについて詳しく見ていこうと思います。
まず、新聞を購読する人にどういった新聞を購読しているか聞いてみました。

Q4購読している新聞(電子版を含む)

ビジネスに役立つ情報の鉄板は
「日本経済新聞」

「購読している新聞(電子版を含む)」調査結果

2,000人のうち41.8%の人が新聞を購読していると回答し、その人たちに購読している新聞を聞いてみました。その結果、新聞購読者のうち46.8%が日本経済新聞、次に読売新聞、朝日新聞が続きます。

日本経済新聞を購読する理由を聞いてみると、「信頼できる」「情報にスピード感がある」という声が多く、2番目に購読数の多い読売新聞と比べても購読数は約2倍と非常にシェア差があり、ビジネス面においてやはり日経新聞の信頼が厚いことがわかります。

次に、雑誌は何が多く読まれているのか見てみましょう。

Q5購読している雑誌(電子版を含む)

数字を切り口にした
雑誌が人気

「購読している雑誌(電子版を含む)」調査結果

2,000人のうち24.3%の人が雑誌を購読しており、最も多く購読されているのは「週刊ダイヤモンド」という結果となりました。

「週刊ダイヤモンド」の魅力を聞いてみたところ、「情報が的確で偏りがない」「経営者視点での記事が多く非常に勉強になる」などの意見が目立ちました。公式サイトによると、経営者や役員クラスの方たちを中心に企業の意思決定層が購読しているようです。
時代を捉えたタイムリーな記事や複雑なテーマも分かりやすくグラフやチャートにまとめられており、短時間で効率よく情報収集ができることも魅力の1つかもしれません。

また、雑誌を購読していると回答した人の中で約半数の49.2%の人は、複数の雑誌を購読していると答えました。経営者のコラムや特集を楽しみにしているという声があり、特集テーマによって普段とは異なる雑誌を購入されることもあるようです。

Q6紙媒体と電子版

スマホが普及した今も7割近い人が紙媒体で情報を収集している

「紙媒体と電子版」調査結果

最近では新聞や雑誌も電子版が普及しており、ネットでの定期購読が可能になっていますが、7割弱の人は紙媒体で購読しており電子版は少数派という結果となりました。

特に、新聞は紙媒体優勢の動きがより顕著に出ています。
仮説ではありますが電子版の場合、画面に入る文字数が制限され、一度に見れる情報が少なくなってしまうため、不便に感じてしまうのではないでしょうか。

僅差ではありますが、目次やページ数の分かりやすい雑誌の方が電子化が進んでいる結果となりました。
では、このような有料の情報コンテンツに月々どのくらいの金額をかけているのか見てみましょう。

Q7毎月の情報収集にかける金額

情報収集に1,000円以上使っている人は全体の25%

「毎月の情報収集にかける金額」調査結果

約6割の人がビジネスに役立つ情報収集をする際に、お金を使わないと回答しました。

有料コンテンツで情報収集をしている人たちも、月々1,000円以上使っていると回答した人は全体の約25%という低い結果となりました。
無料登録やアプリで、様々な記事が読めるサイトも増えているため情報収集にお金を使わない人が多いのではないでしょうか。

Q8情報収集で重要なこと

もっとも重要視されているのは
「信憑性」

「情報収集で重要なこと」調査結果

続いて、情報収集をするうえで何が一番大切かを聞いてみたところ、まず信憑性が挙げられました。
次に情報の新しさ、客観的かどうかが続きます。

情報収集する媒体のいずれにおいても、「信憑性」と「情報の新しさ」はTOP2に入っており、テレビとインターネット検索では「分かりやすさ」、新聞と雑誌では「客観的か」がTOP3に入る結果となりました。

リアルタイムに情報収集するにはインターネット検索が最適ですが、個人ブログや専門知識を持たないサイト運営者も多く記事内容を信頼するかは自己判断となります。
一方、テレビ・新聞・雑誌に関しては、放送時間や発行日が決まっているためリアルタイムとは言い切れないものの、きちんと裏付けされているため信憑性は個人サイト等に比べ高い媒体となります。
そういった背景から、複数の媒体を利用して多角的に情報収集をしている人が多いのも理解できます。

これから社会経験を積む人たちへ

さて、ここまで管理職の人の情報収集術について調べてきましたが、ここからは今から社会経験を積んでいく人たちに向けて、役立つ調査結果をお届けします。

これから様々なことを経験する中で、一体どんな能力を磨いていけばいいのか…と考えることもあるかと思います。
そこでまず、管理職2,000人に「後輩や部下に求めるもの」を聞いてみました。

Q9後輩や部下に求めるもの

上司が部下に最も求めているものNo.1は「積極性」

「後輩や部下に求めるもの」調査結果

アンケートの結果、上司が部下へ最も求めている能力は「積極性」という結果になりました。
また、マネジメントで気を付けていることを聞いてみると「やる気を失わせないこと」や「失敗を責めない」など自主性を大切にしているという意見が多くありました。

逆に「慎重さ」や「集中力」「時間管理」といったものは20%以下となっており、堅実さといえる項目はグラフの項目ほど優先度は高くないようです。
次に経験を積んだ今だからこそ分かる「やっておいた方がよかった」と思う事を聞いてみました。


今だから思う、
あの頃の自分に
何かアドバイスはありますか。

新社会人の自分へ

失敗を怖がってはいけないし、また過度に遠慮してはいけない。
失敗した経験も全て自分の肥やしとなって絶対に活きるから。

理由

現在、あの時チャレンジすればよかった…という思いに駆られる事が多々あるか30代男性

相手がこちらの話を真剣に聞いてくれるのは、自分が認められてからです。
それまでは、コツコツと自分を売り込み、決して派手な提案をしないようにすることです。

理由

実績のないうちは、新たな提案をしてもなかなか受け入れてもらえませんが、自分を認めてもらった後なら、その時受け入れられなかった同じ提案でもすんなり受け入れてもらえたりします。50代男性

会計知識を日々身に付けるように。
漠然と新聞を読み流していたが、わからないことを調べることを継続的にしていたら、会計知識が身についていたと思う。
60代になっても、会計と経営のスキルが低レベル。

理由

仕事と趣味中心で生活していたが、社会人の基本的スキルである会計について勉強してこなかったから。60代男性

20代後半の自分へ

もっと広く様々なことに目を向けて社会をよく見ること。

理由

会社や会社での自分の担当分野は非常に限られたものであった。
これらの狭い分野でスペシャリストになっても社会のごく一部で通用するものでしかない。
会社の論理にとらわれずにもっと視点を広げるべきだと今になって思う。50代男性

後輩の面倒を良く見ていたことはよかったと思う。

理由

面倒を良く見た後輩は今でも慕ってくれるし、仕事でも無理して協力してくれたりと良い関係が築けているから。40代男性

いろいろな資格の取得を目指したい

理由

結婚したり、役職に就いたりすることで勉強する時間は制限されるようになります。
フリーな時は遊びたいとは思いますが、オンとオフの切り替えやオフの中でも勉強枠を組み込むなどの努力は必要だったかなと思います。40代男性

注目

あなたのビジネススタイル
影響を及ぼした人物

上司・先輩
  • 仕事のやり方を教えてくれたり、業後も飲み会につれていってくれたりと、社会人としての世界を教えてもらった
  • 甘かった自分に仕事の心構えなどを教えて頂いた。人生の転機を与えて頂いた。
  • 頭と心の納得が無ければ人は動かないということを教えてくれた。
松下幸之助
  • どんな相手にも敬意を持って、学ぶ姿勢を持っていたから
  • 中学生の頃から苦労されて今の企業を作り出した
  • 特集してある雑誌を読んで共感した
孫正義
  • とにかく自分でチャレンジする姿勢
  • 「髪の毛が後退しているのではない。私が前進しているのである。」という言葉に励まされた
  • スティーブ・ジョブズとのやりとりを見て尊敬している

調査概要

調査方法:
infoQでwebアンケート実施
調査期間:
2021年5月21日(金)
有効回答:
2,000サンプル
調査対象:
全国30~99歳男女 管理職 2,000人

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