徹底調査＜子供の習い事＞
年齢に伴う変化を調査。
親と子供で温度差が！？ 子供の習い事は年齢によってどのように変化するのか、人気の習い事のメリット・デメリット、親と子の習い事に対する温度差などを、アンケート結果をもとに分析・解説します

子供が0～2歳の時点では「習っていない」が51.8％と最も多くなっています。反対に、約半数は0～2歳の時からすでに何らかの習い事を始めているとも言えます。

習い事の種類別で見ていくと、「スイミング・水泳」が15.3％で、最も人気です。0～2歳ということもあり、体への負担が少なく運動できることなどから選ばれているのではないでしょうか。
「幼児教育」9.0％や「リトミック」7.5％といった、幼児を対象とした習い事も上位にきています。幼児を対象としていることで、安心して始められるというのも人気の理由でしょう。

なお、リトミックとは音楽を使った教育法のことで、音楽に合わせて歌ったり、楽器を使ったりして体を動かすことでリズム感や表現力を養うことができるという、幼児を対象とした習い事です。具体的な内容は子供の年齢に応じて変化していきます。

子供が3～6歳の間の習い事では「スイミング」が31.3％となっており、「習っていない」の20.7％を上回っています。
なお、何らかの習い事をしている子供の割合は79.3％であり、0～2歳時の48.2％から31.1ポイント上昇しています。年齢とともに習い事をしている割合が大きく増えたことが分かります。

種類を見ていくと、3～6歳では「ピアノ」「運動・体操」「サッカー」といった習い事の順位が上昇しています。0～2歳時と比較してみると「ピアノ」が5.7％から17.3％。「運動・体操」が4.5％から11.2％になるなど、それぞれ2倍以上に増加しています。これらは体や手を使う習い事であり、3～6歳という年齢ではまだ「将来のための勉強」というよりは、体の発育を考えたり、子供のやりたいことを優先させたりしている親が多いのではないでしょうか。

0～2歳時と比較して3倍以上の増加がみられた「ピアノ」ですが、子供のころに習っておくことで音楽的感覚を養う、楽譜が読めるようになる、音楽を好きになるといった効果の他にも、ピアノによって脳を刺激することで、論理性や創造性の発育にも効果が期待できると言われています。
また、ピアノは指で押さえるだけで音が出るので、他の楽器よりも始めるハードルが低いことも習わせる方が多い要因になっているでしょう。

子供が小学生の年齢になると「習っていない」はわずか6.5％になり、何らかの習い事をしている子供の割合は93.5％です。3～6歳時の79.3％からさらに14.2ポイント上昇しています。7～12歳時には、ほとんどの子供が何らかの習い事をしたことがあるといえます。

7～12歳では「学習塾」が23.2％、「英語・英会話」が19.0％であり、勉強系の習い事が3～6歳時と比べ増加しています。特に学習塾が15.4ポイントと大きく増えています。小学生ということで受験を行う子供は一定数にとどまりますが、先々のことを考えて早めにこれら勉強系の習い事をスタートさせておきたい方が多いのかもしれません。

ここまで全ての年齢を通じて特徴的なのは、どの年齢でも「スイミング・水泳」が非常に人気ということです。その魅力として、体が未発達な子供にとって負荷が少なく運動ができる、泳げるようになる、学校で水泳をする時に困らないといったことがあります。さらに、水を全身で感じながら体をコントロールすることで脳を刺激する効果があるとも言われています。

オンラインで行う習い事を各年齢を比較しながら見ていきたいと思います。オンラインでの習い事はどの年齢でも「習っていない」が非常に多くなっています。特に子供が小さいと、習い事に集中できる環境を自宅に作ることは大変なので、オンラインよりもオフラインで直接習う方がよいと考えている方が多いのかもしれません。

そんな中でも年齢が上がるごとに、オンラインでの習い事の増加傾向が見られ、7～12歳では「習っていない」が74.6％に下がっています。習い事の種類でみると、「通信教育」が9.1％、「英語・英会話」が6.8％と比較的高くなっています。これらはオンラインで習いやすいことが、他の習い事よりも多くなっている要因ではないでしょうか。

ここで、オンラインでの習い事の特徴を見ていきたいと思います。良い点として「送り迎えの時間・コストがかからない」、「親、子供ともに人間関係に悩まされにくい」、「感染症のリスクがない」などがあげられます。 一方、悪い点としては「特に子供が小さければ習い事に集中できない」、「対面でのコミュニケーションから得られる経験が得られない」、「人間関係の形成、集団行動を学ぶことが難しい」といったことがあげられるでしょう。

習い事にかける費用を年齢別に見てみると、0～2歳では「5,000円未満」が最も多くなっており、3～6歳では「5,000円～10,000円」、7～12歳では5,000円～20,000円あたりが最も多くなっています。このように、子供が大きくなるにつれて習い事にかける費用が増加していることが分かります。

20,000円以上で見てみると、0～2歳では計7.4％ですが、7～12歳になると計21.8％と約3倍に上昇しています。こちらを見ても、子供の年齢とともに習い事の費用が増えている様子がみられます。

費用がかかる習い事の特徴としては、「楽器が必要」など使う道具に費用がかかる、「定期的な発表会」などの行事がある、実績のある先生に専門的なことを教えてもらう、といったことがあげられます。

子供1人あたりの習い事の数では、「1つ」という回答が約半数をを占めており、一番多くなっています。次いで「2つ」が34.1％という結果であり、子供の習い事は1つか2つにしている方が多いようです。さらに、3つまでを合わせると96.6％となっており、4つ以上は極めて少数だということが分かります。

子供にとって習い事はストレスの原因にもなりえます。子供は精神的にも発達途上なのでストレスをかけ過ぎないようにしなければなりません。その習い事が好きではない、他の子よりうまくできない、他の子供との関係、先生との関係、様々な要因が子供のストレスになる可能性があります。
しかし、学校以外の人間関係がストレス発散の場になっていることもありますので、子供の様子に注意しながら習わせてあげるとよいでしょう。

習い事に関して、親と子供の希望を比較しています。
グラフでは人気のある習い事をピックアップしていますが、総じて親は子供よりも習い事に対して意欲が強いことが分かります。希望する習い事が「特にない」では、親の28.9％に対し子供は57.2％と大きな意欲の差が見られます。

「英語・英会話」「習字・書道」「そろばん」などの勉強系の習い事に関して、特に強い意識のズレが見られます。これらの習い事を「将来のためにやっておいた方がいい」と考える親と、「学校以外でも勉強するのはイヤ」と思う子供で差が出ていると思われます。子供の意欲が低い状態で習い事をさせても効果があまりでないとも考えられますので、悩ましいところです。子供の様子を見つつ、習い事を行うか判断する必要があるでしょう。

子供が習い事をやめた理由を複数回答で聞いた結果、「スケジュールが合わなくなった」が25.7％で最も多くなっています。習い事を続ける際には、時間的な要因が問題になることが多いようです。

「子どもが辞めたいと言ってきた」24.9％、「子どもの意欲が低下した」21.1％も多くなっています。これらの理由には様々な原因があると思います。習い事の話を積極的に聞いてあげるなど、子供の変化に注意しておくのが良いでしょう。
「他にやりたい習い事があった」の回答が15.6％と一定数あります。1つの習い事を長く続けることも良いですが、見切りをつけて他のことに目を向けるのも子供にとって良い選択になるかもしれません。

「金銭的な問題」は4.4％と少ない結果でした。親にとって子供の習い事は金銭的な負担も少なくないでしょうが、やめる理由としては少数になっています。